小口現金制度―方法―定額資金前渡法(インプレスト・システム)
定額資金前渡法とは
定額資金前渡法の定義・意味など
定額資金前渡法(ていがくしきんまえわたしほう)とは、小口現金制度の管理方法のひとつで、会計係(経理担当者)が一定期間(週単位や月単位)の現金による支払額を見積もり、会計係とは独立して小口現金を管理する係の者(各部署に設けられた用度係・小払係・小口現金係)に定期的に資金を前渡しする方法をいう。
定額資金前渡法の別名・別称・通称など
インプレスト・システム
定額資金前渡法は、インプレスト・システムともいう。
定額資金前渡法の位置づけ・体系(上位概念等)
小口現金制度の管理方法
定額資金前渡法とは、小口現金制度の管理方法のひとつである。
小口現金制度には、定額資金前渡法も含め、次の2つの管理方法がある。
- 定額資金前渡法(インプレスト・システム)
- 不定額資金前渡法(随時補給法)
なお、定額資金前渡法のほうが、資金管理のうえですぐれているとされている。
定額資金前渡法の仕組み(しくみ)
定額資金前渡法は次の順序で行われる。
- (資金の前渡し)一定期間に必要な資金を見積り、会計係が用度係に資金を渡す。小切手で渡した場合は用度係が換金して現金にする
- (小口の支払い)用度係は換金した現金で日常の取引で必要になる小口の支払いを行う。その際、小口現金出納帳に支払明細を記帳して管理する
- (報告)一定期間末に用度係はその期間に支払った小口現金の明細を会計係に報告する
- (小口現金の補給)会計係が用度係から報告を受けた金額と同額の資金を用度係に渡して小口現金の補給を行う
『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、89ー90項。
定額資金前渡法における資金の補給方法
定額資金前渡法における資金の補給方法には次の2つがある。
定額資金前渡法の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
1.小口現金を前渡ししたとき
会計係が小切手を振り出して用度係に渡したときは、小口現金勘定(資産)の借方に記帳するとともに当座預金勘定の貸方に記帳する。
また、会計係が普通預金から現金を引き出して用度係に渡したときは、小口現金勘定(資産)の借方に記帳するとともに普通預金勘定の貸方に記帳する。
2.小口現金で支払いをしたとき
用度係から会計係に支払明細の報告がされたときに、まとめて会計処理を行うことになるからである。
ただし、小口現金出納帳に支払明細を記帳して管理をする。
3.会計係に報告をしたとき
一定期間末に用度係がその期間に支払った小口現金の明細を会計係に報告をしたときは、その期間分をまとめて記帳する。
すなわち、支払明細報告書にもとづき、各費用勘定の借方に記帳して費用処理をするとともに小口現金勘定の貸方に記帳して減少させる。
なお、当時補給の方法による場合は、この報告時の処理と次の小口現金の補給時の処理を、小口現金勘定を相殺してまとめて処理をすることができる。
4.小口現金の補給を行ったとき
会計係は用度係から報告を受けた金額と同額の資金を用度係に渡して小口現金の補給を行う。
補給の方法には次の2つの方法があるので、その会計処理については各リンク先を参照。
小口現金の管理
一般的に、小口現金は会計係が管理するのではなく、各部署に用度係などという係を設けて管理させる。
帳簿管理
小口現金による支払いは、小口現金出納帳という補助簿(補助記入帳)にその支払明細を記帳して管理をする。
なお小口現金を管理するための小口現金出納帳の書式・様式は、次のサイトのページなどにある。
ビジネス文書テンプレートの無料ダウンロード: 簿記・経理・会計用各種書式
取引の具体例と仕訳の仕方
小口現金を前渡ししたとき
小口現金 | ✕✕✕✕ | 普通預金 | ✕✕✕✕ |
会計係に報告をしたとき
月末に用度係から小口現金の明細の報告を受けた。
旅費交通費 | ✕✕✕✕ | 小口現金 | ✕✕✕✕ |
消耗品費 | ✕✕✕✕ | ||
交際費 | ✕✕✕✕ | ||
雑費 | ✕✕✕✕ |
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 11 ページ]
現金
現金―通貨
現金―通貨代用証券
現金―通貨代用証券―利札(クーポン。期限到来公社債利札)
現金―通貨代用証券―配当金領収証
現金―現金過不足
小口現金制度
小口現金制度―小口現金
小口現金制度―方法―定額資金前渡法(インプレスト・システム)
小口現金制度―方法―定額資金前渡法―翌日補給
小口現金制度―方法―定額資金前渡法―当日補給(即日補給)
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ
- ホーム
取引別―商業簿記その他一般
商品売買
商品売買―一般商品売買―仕入れ
商品売買―一般商品売買―売上げ
商品売買―一般商品売買―売掛金・買掛金
商品売買―一般商品売買―値引・返品・割戻・割引
商品売買―一般商品売買―諸掛
商品売買―一般商品売買―前払い(内金・手付金)
商品売買―一般商品売買―在庫
商品売買―特殊商品売買
商品売買―特殊商品売買―未着品売買
商品売買―特殊商品売買―委託販売・受託販売
商品売買―特殊商品売買―委託買付・受託買付
商品売買―特殊商品売買―試用販売
商品売買―特殊商品売買―予約販売
商品売買―特殊商品売買―割賦販売
金銭債権
金銭債務
現金
預金
預金―当座預金
小切手
手形
有価証券
棚卸資産
固定資産―資本的支出と収益的支出(修繕費)
固定資産―減価償却
固定資産―減価償却―減価償却費の計算
固定資産―減価償却―減価償却の方法の選定
固定資産―有形固定資産
固定資産―無形固定資産
固定資産―圧縮記帳
固定資産―減損
その他の債権債務―仮勘定(仮払金・仮受金)
その他の債権債務―立替金・預り金
貸倒れ
リース取引
引当金
人事労務―賃金
人事労務―福利厚生制度
人事労務―退職給付制度
人事労務―年金
経営セーフティ共済
外貨建取引等
個人事業主―元入金(資本金)勘定と引出金勘定
個人事業主―事業主貸・事業主借勘定と専従者給与勘定