雑費
雑費とは 【miscellaneous expenses】
雑費の定義・意味など
雑費(ざっぴ)とは、販売費及び一般管理費に含まれる費用のうち、他のどの勘定科目にも当てはまらないものや一時的な費用(発生頻度が少なく臨時的な費用)で、重要性も高くない(金額が少額な)ため、特に科目を設ける必要のないものをまとめて処理する費用勘定をいう。
法人・個人の別
法人・個人
雑費は法人・個人で使用される勘定科目である。
雑費の範囲・具体例
雑費として処理をするものとしては、具体的には、次のようなものがある。
ただし、雑費の範囲は会社によってかなり異なるので、あくまで参考例である。
- 日用消耗品
- 粗大ごみ(粗大ゴミ)券(市区町村に支払う廃棄物処理手数料)
- 清掃代(ダスキン等の清掃業者を利用した場合)
- クリーニング代
- 洗車
- 金融機関関係
- 各種の証明書発行手数料
- 官報公告
- 新聞・書籍・雑誌等の購入費用(一会計年度の購入費用の合計が少額である場合など)
- ファックス送信代
- テレビ関係
- 有線放送の利用料
- 正月用飾り代
- 引越費用
- 安全協力会費(安全協力費・安全会費)
- 警備費用(警備料金)
清掃代
ダスキンなどの清掃業者に清掃を依頼した場合の費用は、修繕費・管理費・資産維持費勘定・衛生費勘定などで処理をする。
ただし、回数・金額が少ない場合は雑費勘定で処理をしてもよい。
クリーニング代
ただし、場合によっては福利厚生費・衛生費勘定などで処理をする。
洗車
洗車は車両費や修繕費勘定などで処理をするが、回数・金額が少ない場合は雑費勘定で処理をしてもよい。
銀行の振込手数料
ただし、回数が少ない場合には雑費勘定で処理をしてもよい。
貸金庫の使用料・手数料
貸金庫の使用料・手数料は支払手数料または保管料勘定などのほか雑費勘定で処理をしてもよい。
ただし、一時的ではなく多年度にわたる場合には支払手数料勘定で処理をしたほうがよいと思われる。
各種証明書の発行手数料
具体的には、登記簿謄本・登記簿抄本または履歴事項全部証明書等の登記事項証明書など。
新聞・書籍・雑誌等の購入費用
新聞・書籍・雑誌等の購入費用は通常、新聞図書費勘定で処理をするが、一会計年度の購入費用の合計が少額である場合などは雑費として処理することもできる。
ファックス送信代
ファックス送信代は、通常、通信費勘定で処理をする。
ただし、回数・金額が少ない場合は雑費勘定で処理をしてもよい。
テレビ関係
NHK受信料
岩崎恵利子 『パッと引いて仕訳がわかる 逆引き勘定科目事典』 シーアンドアール研究所、2009年、180項など。
ケーブルテレビ使用料
ケーブルテレビの使用料も雑費または通信費勘定などで処理をする。
有線放送の利用料
また、店内で顧客用にBGMとして利用している場合などは販売促進費勘定で処理することも考えられる。
安全協力会費(安全協力費・安全会費)
建設業界で、元請業者の安全協力会が下請業者等を会員として安全協力会費(安全協力費・安全会費)を徴収する場合があるが、同会費を支払った場合は、雑費や諸会費勘定で処理をする。
警備費用(警備料金)
警備保障会社との警備契約により発生する料金は、支払手数料(または管理諸費)・管理費・業務委託費勘定などで処理をしてもよい。
雑費勘定の決算等における位置づけ等
雑費の財務諸表における区分表示と表示科目
損益計算書 > 経常損益の部 > 営業損益の部 > 販売費及び一般管理費 > 雑費
販売費及び一般管理費の一番最後に表示する
所得税の青色申告決算書(損益計算書)記載の勘定科目の当否
雑費は所得税の青色申告決算書(損益計算書)の経費欄にも印刷されている一般的な勘定科目である。
雑費の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
雑費として処理する費用を支払ったときは、雑費勘定の借方に記帳して費用計上する。
注意点・注意事項
決算書で雑費の額が多いことは、経理上望ましくなく、また、税務署にも不審の目を向けられやすいので、注意をすること。
一事業年度・会計年度で同じ経費が相当回数発生する場合や、金額が大きい場合には、独立した科目で処理をしたほうがよい。
取引の具体例と仕訳の仕方
雑費 | ✕✕✕✕ | 現金 | ✕✕✕✕ |
雑費(または通信費) | ✕✕✕✕ | 普通預金 | ✕✕✕✕ |
雑費の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
課税取引
消費税法上、雑費は課税取引に該当し、仕入税額控除の対象となる。
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