消耗品
消耗品とは
消耗品の定義・意味など
消耗品(しょうもうひん)とは、消耗品を資産として処理する資産勘定をいう。
法人・個人の別
法人・個人
消耗品は法人・個人で使用される勘定科目である。
消耗品の目的・役割・意義・機能・作用など
資産法
消耗品の会計処理については、すぐに消費されてなくなってしまうため費用として処理する費用法と、具体的な形があるモノであるため資産として処理する資産法がある。
『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、260項。
消耗品勘定は消耗品を資産法で処理する場合に使用する勘定科目である。
ただし、重要性の原則から、重要性の乏しいものについては、支払時に費用として処理する方法=費用法を採用することができる。
企業会計原則注解
〔注1〕重要性の原則の適用について
企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも、正規の簿記の原則に従った処理として認められる。
…
重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。
(1) 消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。
…
他の勘定科目との関係
消耗品費
実務上は、事務処理の軽減という見地から消耗品費勘定を用いて費用処理されることが多い。
消耗品の位置づけ・体系(上位概念等)
棚卸資産
消耗品は棚卸資産のひとつである。
なお、棚卸資産には次のようなものがある。
- 通常の営業過程において販売するために保有する財貨または用益
- 販売を目的として現に製造中の財貨または用益
- 販売目的の財貨または用益を生産するために短期間に消費されるべき財貨
- 販売活動または一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨
- 貯蔵品
- 消耗品(事務用消耗品など)
- 棚卸資産に準ずる資産
企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準
棚卸資産の範囲
28. これまで、棚卸資産の範囲は、原則として、連続意見書 第四に定める次の 4 項目のいずれかに該当する財貨又は用役であるとされている。
(1) 通常の営業過程において販売するために保有する財貨又は用役
(2) 販売を目的として現に製造中の財貨又は用役
(3) 販売目的の財貨又は用役を生産するために短期間に消費されるべき財貨
(4) 販売活動及び一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨
混合勘定
混合勘定の具体例としては次のようなものがある。
消耗品の決算等における位置づけ等
消耗品の財務諸表における区分表示と表示科目
区分表示
流動資産
消耗品は流動資産に属するものとして表示する。
会社計算規則
(資産の部の区分)
第七十四条
3 次の各号に掲げる資産は、当該各号に定めるものに属するものとする。
一 次に掲げる資産 流動資産
…
ヲ 消耗品、消耗工具、器具及び備品その他の貯蔵品であって、相当な価額以上のもの
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(流動資産の範囲)
第十五条 次に掲げる資産は、流動資産に属するものとする。
…
十 消耗品、消耗工具、器具及び備品その他の貯蔵品で相当価額以上のもの
消耗品の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
期中(購入・取得時)
資産法で処理する場合、期中に消耗品を購入したときは、消耗品勘定(資産)の借方に記帳する。
期末(決算時)等
決算時には消耗品の消耗高を消耗品勘定の貸方から消耗品費勘定(費用)の借方に振り替える。
翌期首
資産法による場合は、期末に当期中に消費した分を費用に振り替えるので、翌期首において資産として繰り延べられた金額を費用に戻すために行われる再振替仕訳は不要である。
取引の具体例と仕訳の仕方
期中(購入・取得時)
消耗品1万円を現金で購入した。
消耗品 | 10,000 | 現金 | 10,000 |
期末(決算時)等
期末の消耗品の未使用高は5万円であった。
消耗品費 | 5,000 | 消耗品 | 5,000 |
消耗品の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
不課税取引(課税対象外)
消費税法上、消耗品は不課税取引として消費税の課税対象外である。
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