[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


営業権―取得―会社設立(法人化・法人成り)による事業譲渡


個人事業主会社設立(法人化・法人成り)により会社事業譲渡した場合の営業権資産計上

営業権といったノウハウや技術という無形のリソースは、原則として、資産計上の対象とはならない(貸借対照表上に計上されない)。

つまり、営業権は自社で創設することはできない。

しかし、例外として、たとえば、次のような場合に限り、営業権勘定を用いて資産計上できる。

営業権勘定の会計・簿記・経理上の取り扱い―営業権の購入・取得

このページでは、個人事業主会社設立(法人化・法人成り)により会社事業譲渡した場合の営業権資産計上の問題についてまとめる。

営業権資産計上の可否・適否

個人事業主会社設立し、個人として行なっていた事業会社に譲渡した場合、たとえば、屋号などのブランドや管理・運用していたホームページなどを営業権のれん)として評価し、それを会社側で資産計上することは可能である。

ただし、資産としての価値があることやその評価額の算出基準・根拠を説明できる(説明可能性がある)ことが必要である。

脱税とは

会計上・務上の取り扱い

会社側の取り扱い
会計経理処理方法・簿記の記帳の仕方・取引仕訳の具体例や事例

会社側では、営業権勘定を用いて、資産に計上する。

仕訳

借方科目貸方科目
営業権 ×××× 現金預金 ××××

個人側の取り扱い

所得法上の取り扱い
所得区分

個人事業主の側としては、譲渡所得として申告するのが一般的である。

この場合、総合譲渡として、総合課され、事業所得などと損益通算することができる。

なお、譲渡所得額は、次の計算方法により算出する。

譲渡所得額=総収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(50万円)

譲渡所得の金額―原則―総論 - 税金―所得税法

そして、長期譲渡所得(5年以上)であれば、その額の1/2のみが課税対象となる(2分の1総合課方式)。

また、(営業権のれん評価できる資産を売却することにつき)「反復継続性」「販売目的」等の事情があれば(説明可能であれば)、事業所得として申告することも可能である。

ただし、特別控除額、2分の1総合課方式といった優遇措置があることから、通常は譲渡所得として申告したほうが有利と思われる。

使用・利用・活用方法や使い方のポイント・実務

たとえば、個人事業主が法人成りをしたが、まだ開業費繰延資産)を償却していなかったというような場合、その開業費自体は会社開業費ではないので、会社に承継させることはできない。

しかし、営業権として別途資産計上することで、実質的に開業費を承継させることと同じ効果を得ることが可能となる。



現在のページのサイトにおける位置づけ

 現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 13 ページ]

  1. 借地権
  2. 工業所有権(産業財産権)
  3. 特許権
  4. 商標権
  5. 実用新案権
  6. 意匠権
  7. 電話加入権
  8. 施設利用権
  9. 営業権(のれん)
  10. 営業権―取得―会社設立(法人化・法人成り)による事業譲渡
  11. ノウハウ(ノーハウ)
  12. ソフトウェア
  13. ソフトウェア―会計基準―中小企業の会計に関する指針

 現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ



プライバシーポリシー