[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


ノウハウ(ノーハウ)


ノウハウとは

ノウハウの定義・意味など

ノウハウとは、契約にもとづき製品の製造方法や技術実施に関する知識などを行使できる権利を処理する資産勘定をいう。

参考:中野智之 『最新版 仕訳がすぐわかる 経理勘定科目事典』 ナツメ社、2007年、105項。

ノウハウの性格・性質

契約上の権利

ノウハウは、特許権のように法律上の権利ではなく、契約上の権利である。

ノウハウの別名・別称・通称など

ノーハウ

国税庁のホームページではノーハウと表記されている。

ノウハウの位置づけ・体系(上位概念等)

無形固定資産

ノウハウは無形固定資産のひとつである。

無形固定資産にはノウハウも含めて次のようなものがある。

  1. 法律上の権利
    1. 借地権(地上権を含む)
    2. 鉱業権
    3. 漁業権(入漁権を含む)
    4. 水利権
  2. 法律によって知的生産物などに与えられる独占的権利
    1. 工業所有権
      1. 特許権
      2. 商標権
      3. 実用新案権
      4. 意匠権
    2. 著作権
  3. 特定の施設の利用権など契約上の権利
    1. 電話加入権
    2. 施設利用権
      1. 電気ガス供給施設利用権
      2. 水道施設利用権
      3. 工業用水道施設利用権
      4. 電気通信施設利用権など
    3. ダム使用権
    4. ノウハウ(ノーハウ)
  4. ソフトウェア
    1. コンピュータプログラム
    2. システム仕様書
  5. 営業権といった企業信用などにより超過収益力をもたらす権利
    1. 営業権のれん
  6. リース資産(当該会社ファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産である等の一定の条件あり)

会社計算規則
資産の部の区分)
第七十四条 …
 次の各号に掲げる資産は、当該各号に定めるものに属するものとする。

 次に掲げる資産 無形固定資産
 特許権
 借地権(地上権を含む。)
 商標権
 実用新案権
 意匠権
 鉱業権
 漁業権(入漁権を含む。)
 ソフトウエア
 のれん
 リース資産(当該会社ファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産であって、当該リース物件がイからチまで及びルに掲げるものである場合に限る。)
 その他の無形資産であって、無形固定資産に属する資産とすべきもの

ノウハウの決算等における位置づけ等

ノウハウの財務諸表における区分表示表示科目

貸借対照表資産固定資産無形固定資産 > ノウハウ

区分表示
無形固定資産

前述したようにノウハウは無形固定資産に属するものとして表示する。

表示科目

貸借対照表では"適当な項目に細分"して表示することとされている(会社計算規則74条2項)。

ただし、その額が資産総額の5%以下であれば、「その他無形固定資産(その他の無形固定資産)」として表示すれば足りる(財務諸表等規則29条)。

会社計算規則
資産の部の区分)
第七十四条  …
 固定資産に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、各項目は、適当な項目に細分しなければならない。
一  有形固定資産
二  無形固定資産
三  投資その他の資産

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
第二十九条  前条第一項第十一号の資産のうち、その額が資産の総額の百分の五を超えるものについては、当該資産を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。

表示方法
直説法(直接控除法

減価償却の対象となる無形固定資産については、直接法直接控除法)しか認められていない。

つまり、有形固定資産とは異なり、帳簿価額だけを表示し、また、減価償却累計額の注記も不要である。

企業会計原則
(貸借対照表科目の分類)

(一)資 産

B …
無形固定資産については、減価償却額を控除した未償却残高を記載する。

会社計算規則
無形固定資産の表示)
第八十一条  各無形固定資産に対する減価償却累計額及び減損損失累計額は、当該各無形固定資産額から直接控除し、その控除残高を当該各無形固定資産額として表示しなければならない。

ノウハウの会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

取得原価取得価額)の決定方法

ノウハウの取得価額は、設定契約や取得に要した対価の総額とする。

中野智之 『最新版 仕訳がすぐわかる 経理勘定科目事典』 ナツメ社、2007年、105項。

繰延資産の計上

法上、ノウハウの設定契約に際して支出する一時金または頭費用は、原則として繰延資産として取り扱われる。

法人税基本通達
(ノーハウの頭等)
8-1-6 ノーハウの設定契約に際して支出する一時金又は頭費用は、令第14条第1項第6号ハ《役務の提供を受けるための権利金等》に規定する繰延資産に該当する。ただし、ノーハウの設定契約において、頭の全部又は一部を使用料に充当する旨の定めがある場合又は頭の支払により一定期間は使用料を支払わない旨の定めがある場合には、当該頭の額のうちその使用料に充当される部分の額又はその支払わないこととなる使用料の額に相当する部分の額は、これを繰延資産としないで前払費用として処理することができる。



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  5. 実用新案権
  6. 意匠権
  7. 電話加入権
  8. 施設利用権
  9. 営業権(のれん)
  10. 営業権―取得―会社設立(法人化・法人成り)による事業譲渡
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