[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


開業費


開業費とは

開業費の定義・意味など

会社・法人の場合

開業費(かいぎょうひ)とは、法人の設立後、事業を開始するまでに要した開業準備費用費用計上する費用勘定、または繰延資産に計上する資産勘定をいう。

法人税法施行令
繰延資産の範囲)
第十四条  …
 開業費(法人の設立事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用をいう。)

個人事業主の場合

開業費とは、不動産所得事業所得・山林所得を生ずべき事業を開始するまでに要した開業準備費用費用計上する費用勘定、または繰延資産に計上する資産勘定をいう。

所得法施行令
繰延資産の範囲)
第七条  …
 開業費(不動産所得事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用をいう。)

法人・個人の別

法人・個人

開業費は法人・個人で使用される勘定科目である。

開業費の範囲・具体例

開業費の範囲は、会計上と法上とで、また、法上でも会社・法人と個人事業主においても異なる。

開業費―範囲・具体例

開業費の位置づけ・体系(上位概念等)

繰延資産

開業費は繰延資産のひとつである。

繰延資産は、会計上の繰延資産税法上の繰延資産とがある。

  1. 会計上の繰延資産会社法上の繰延資産
  2. 税法上の繰延資産
    1. 所得税法上の繰延資産
    2. 法人税法上の繰延資産

なお、会計上の繰延資産の範囲と税法上の繰延資産の範囲は異なる。

税法上の繰延資産から、会計上の繰延資産に該当するものを除いたものが税法独自の繰延資産ということになる。

開業費の決算等における位置づけ等

開業費の財務諸表における区分表示表示科目

損益計算書経常損益の部 > 営業外損益の部 > 営業外費用 > 開業費

または

貸借対照表資産繰延資産 > 開業費

区分表示
営業外費用または繰延資産

開業費は費用計上した場合には営業外費用に属するものとして、また、資産計上した場合には繰延資産に属するものとしてそれぞれ表示する(後述)。

企業会計原則
(貸借対照表科目の分類)
四 …
(一)資 産

C 創立費、開業費、新株発行費社債発行費社債発行差金開発費試験研究費及び建設利息は、繰延資産に属するものとする。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
繰延資産の範囲)
第三十六条  創立費、開業費、株式交付費社債発行費及び開発費は、繰延資産に属するものとする。

表示方法
直説法(直接控除法

開業費を償却の対象となる繰延資産に計上した場合、繰延資産直接法直接控除法)しか認められていないので、有形固定資産とは異なり、帳簿価額だけを表示し、また、減価償却累計額の注記も不要である。

企業会計原則
(貸借対照表科目の分類)
四 …
(一)資 産

C 創立費、開業費、新株発行費社債発行費社債発行差金開発費試験研究費及び建設利息は、繰延資産に属するものとする。これらの資産については、償却額を控除した未償却残高を記載する。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
第三十八条  各繰延資産に対する償却累計額は、当該繰延資産額から直接控除し、その控除残高を各繰延資産額として表示しなければならない。

開業費の会計簿記経理上の取り扱い

次のページを参照。

開業費―会計処理

開業費の務・法・制上の取り扱い

必要経費算入(所得法上)・損金算入法人税法上)の可否

支出した年度費用として処理した場合はもちろん、繰延資産とした場合も、最終的にはその全額を必要経費算入(所得法上)・損金算入法人税法上)できる。

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

課税取引

消費税法上、開業費は課税取引に該当し、仕入税額控除の対象となる。



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  3. 開業費―範囲・具体例
  4. 開業費―会計処理
  5. 試験研究費
  6. 開発費
  7. 新株発行費
  8. 株式交付費
  9. 社債発行費(社債発行費等)
  10. 社債発行差金
  11. 新株予約権発行費
  12. 長期前払費用(税法上の繰延資産)

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