［経済］簿記勘定科目一覧表（用語集）

工業所有権（産業財産権）

工業所有権とは

工業所有権の定義・意味など

工業所有権（こうぎょうしょゆうけん）とは、知的財産権のうち、特許権・実用新案権・意匠権・商標権の4つの権利を処理するための資産勘定をいう。

工業所有権の別名・別称・通称など

産業財産権

特許庁では、産業財産権（さんぎょうざいさんけん）という言葉を使用している。

法人・個人の別

法人・個人

工業所有権は法人・個人で使用する勘定科目である。

工業所有権の位置づけ・体系（上位概念等）

無形固定資産

工業所有権は無形固定資産のひとつである。

無形固定資産には工業所有権も含めて次のようなものがある。

1. 法律上の権利
   1. 借地権（地上権を含む）
   2. 鉱業権
   3. 漁業権（入漁権を含む）
   4. 水利権
2. 法律によって知的生産物などに与えられる独占的権利
   1. 工業所有権
      1. 特許権
      2. 商標権
      3. 実用新案権
      4. 意匠権
   2. 著作権
3. 特定の施設の利用権など契約上の権利
   1. 電話加入権
   2. 施設利用権
      
      1. 電気ガス供給施設利用権
      2. 水道施設利用権
      3. 工業用水道施設利用権
      4. 電気通信施設利用権など
   3. ダム使用権
   4. ノウハウ（ノーハウ）
4. ソフトウェア
   1. コンピュータプログラム
   2. システム仕様書
5. 営業権といった企業信用などにより超過収益力をもたらす権利
   1. 営業権（のれん）
6. リース資産（当該会社がファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産である等の一定の条件あり）

会社計算規則
（資産の部の区分）
第七十四条　…
３ 　次の各号に掲げる資産は、当該各号に定めるものに属するものとする。
…
三 　次に掲げる資産　無形固定資産
イ　特許権
ロ　借地権（地上権を含む。）
ハ　商標権
ニ　実用新案権
ホ　意匠権
ヘ　鉱業権
ト　漁業権（入漁権を含む。）
チ　ソフトウエア
リ　のれん
ヌ　リース資産（当該会社がファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産であって、当該リース物件がイからチまで及びルに掲げるものである場合に限る。）
ル　その他の無形資産であって、無形固定資産に属する資産とすべきもの

工業所有権の決算等における位置づけ等

工業所有権の財務諸表における区分表示と表示科目

貸借対照表 ＞ 資産 ＞ 固定資産 ＞ 無形固定資産 ＞ 工業所有権

工業所有権の会計・簿記・経理上の取り扱い

会計処理方法

工業所有権は取得原価で評価したうえ、工業所有権勘定の借方に記帳して資産計上する。そして、その後毎決算期に減価償却により費用処理していく。

取得原価主義の適用

資産としての工業所有権の評価基準については、原則どおり、取得原価主義が適用される。

取得原価（取得価額）の決定方法

次のページを参照。

特許権

減価償却

耐用年数

工業所有権はそれぞれ法的有効期間が定められているが、実務では税法上の耐用年数を使って減価償却する。

「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第一では次のように規定されている。

• 特許権…8年
• 実用新案権…5年
• 意匠権…7年
• 商標権…10年

減価償却の方法

工業所有権などの無形固定資産には、修繕という観念がないため、理論的に定率法による減価償却を認める余地がない。

したがって、原則として、定額法しか認められていない（定例法は、不可）。

工業所有権の税務・税法・税制上の取り扱い

消費税の課税・非課税・免税・不課税（対象外）の区分

課税取引

消費税法上、工業所有権は課税取引に該当し、仕入税額控除の対象となる。