決算書―法律別―会社法―計算書類―個別注記表
個別注記表とは
個別注記表の定義・意味・意義
個別注記表とは、会社法により計算書類(決算書)の一つとされている計算書類に関する注記表をいう。
決算書を読む際に参考となる情報(どのような点に注意しなければいけないか)などを一覧にしたものである。
なお、連結計算書類に関する注記表を連結注記表という。
会社法
(計算書類等の作成及び保存)
第四百三十五条 …
2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
会社計算規則
(各事業年度に係る計算書類)
第五十九条 法第四百三十五条第二項に規定する法務省令で定めるものは、この編の規定に従い作成される株主資本等変動計算書及び個別注記表とする。
個別注記表の位置づけ・体系
前述のとおり、個別注記表は会社法上、計算書類の一つとされている。
たとえば、株式会社の計算書類については、個別注記表も含めて次のものとされている。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書
- 個別注記表
なお、会社法が要請する決算書と、法人税法が要請する決算書とは、若干相違がある。
すなわち、会社法では、個別注記表が決算書の一つとされているが、法人税法上は、個別注記表の添付は必要とされていないことに注意。
実際、最寄りの税務署を通じて国税庁にも確認しましたが、法人税申告書には個別注記表の添付は不要とのことでした。ただし、税務署によっては取り扱いが異なる場合も予想されますので、この点は所轄税務署にご確認ください。
個別注記表の趣旨・目的・機能
たとえば、会計上の利益は収益から費用を差し引くことで計算するので、売上をいつの時点で計上するかによって、利益が変わってくる。
また、棚卸資産の評価方法を変更しても、棚卸資産は期末時点の在庫で売上原価とならないため、やはり利益が変わってくる。
つまり、売上や仕入の事実には変動がなくても、会計方針を変更するだけで利益額は変動することになる。
そこで、会計方針を変更した場合などは、個別注記表というかたちで、これを注記しなければならないものとした。
このように、個別注記表には、決算書を読む際にヒントとなるものが多く記載されることになる。
個別注記表の内容・記載事項
会社計算規則
個別注記表に記載すべき具体的内容については、会社計算規則が詳細に規定している。
すなわち、会社計算規則は、個別注記表で記載すべき大項目として次に掲げるものをあげ、それぞれの項目につき、その具体的な記載事項を定めている。
- 継続企業の前提に関する注記
- 重要な会計方針に係る事項(連結注記表にあっては、連結計算書類の作成のための基本となる重要な事項)に関する注記
- 貸借対照表等に関する注記
- 損益計算書に関する注記
- 株主資本等変動計算書(連結注記表にあっては、連結株主資本等変動計算書)に関する注記
- 税効果会計に関する注記
- リースにより使用する固定資産に関する注記
- 金融商品に関する注記
- 賃貸等不動産に関する注記
- 持分法損益等に関する注記
- 関連当事者との取引に関する注記
- 一株当たり情報に関する注記
- 重要な後発事象に関する注記
- 連結配当規制適用会社に関する注記
- その他の注記
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