生命保険―内容―費用―生命保険料(生命保険の掛金)―会計処理
生命保険料の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計経理処理方法・簿記の記帳の仕方・使用する勘定科目等
生命保険は、貯蓄性のない掛捨型(つまり、定期保険・終身保険)と、掛金の一部が積み立てられて貯蓄性がある積立型・貯蓄型(つまり、養老保険)とに大別できる。
このうち養老保険の生命保険金については、次の2つの部分から構成されることになる。
こうした定期保険・終身保険と養老保険の別やさらに保険金受取人の設定の仕方に応じて、生命保険料の会計処理方法が異なってくるが、これには大別すると次の3つがある。
実際は、加入した生命保険会社に会計処理・仕訳の仕方を確認するとよい。
なお、養老保険の保険料に関する会計処理等については次のページも参照。
また、養老保険のうち、いわゆる逆養老の保険料に関する会計処理等については次のページも参照。
死亡保険金に相当する生命保険料
保険料(支払保険料)・積立保険料(保険積立金)・役員報酬または給与
会計上、死亡保険金に相当する生命保険料については、一般的には保険料(支払保険料)勘定(費用)を使用して費用処理をする。
ただし、保険金受取人の設定によっては、全額を積立保険料(保険積立金ともいう)勘定を使用して資産計上したり、役員や従業員の役員報酬・給与として処理をする場合もある。
生存保険金に相当する生命保険料
積立保険料(保険積立金)・役員報酬または給与
積立型・貯蓄型の生命保険には預金や金融商品と同様の経済効果があるため、その支払った生命保険料の全額を費用処理することはできない。
すなわち、死亡保険金に相当する生命保険料については保険料(支払保険料)勘定で費用処理できるが、生存保険金(満期保険金)に相当する生命保険料については積立保険料(保険積立金)勘定で資産計上する。
ただし、いわゆる逆養老の場合は、役員や従業員の役員報酬・給与として処理をする。
形式的には掛捨型生命保険であるが解約返戻金を利用した実質的な積立型生命保険
保険料(支払保険料)
つまり、形式的には「解約」というかたちをとるが、実質的には、満期返戻金を戻すような生命保険である。
ただし、生命保険の掛金の全額が戻ってくるわけではない(約80~90%以上)。
そして、通常の貯蓄型・積立型の生命保険のように満期返戻金を支払うという建前ではなく、解約返戻金を支払うという建前により生命保険の掛金を戻す仕組みとすることで、建前上は積立型・貯蓄型の生命保険とはなっていないので、会計上、費用処理ができるとする。
つまり、生命保険の名を借りた節税ツールとしての貯蓄商品である。
この種の生命保険については、実質的には積立型・貯蓄型であっても、保険料(支払保険料)勘定を使用して費用処理をすることになる。
なお、この場合、積み立てられた貯蓄は、資産計上されないので、貸借対照表には記載されない簿外資産となる。
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