[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


手形―基本―手形関係―手形の遡求(償還請求・遡及)


遡求とは

遡求の定義・意味など

遡求(そきゅう)とは、手形不渡りとなり、手形の支払いを受けることができない場合、または支払いの可能性が減少した場合に、手形の所持人が自分より前の裏書人に対して、手形の支払いを請求することをいう。

遡求の別名・別称・通称など

償還請求

遡求は償還請求(しょうかんせいきゅう)ともいわれる。

遡及

遡求は遡及と表記されていることもあるが、法律用語として正しくは「遡求」と表記する。

遡求の目的・役割・意義・機能・作用など

手形裏書きにより譲渡できる。

しかし、手形不渡りとなる場合もある。

手形不渡りとなり、手形の支払いを受けることができない場合、または支払いの可能性が減少した場合には、手形の所持人は自分より前の裏書人に対して、手形の支払いを請求することができる。

この請求が遡求である。

たとえば、手形割引は実質的な融資であるが、やはり手形遡及債務があり、割引に回していた手形不渡りとなった場合には、金融機関から即時の返済を求められる(遡求される)ことになる。

なお、手形の所持人が遡求できる権利を遡求権または償還請求権という。

遡求権の対象

1号不渡り

手形の不渡りには、次の3つの種類に分類される。

  1. 0号不渡り手形の形式不備・裏書の不連続・呈示期日経過など不適当な呈示手形
  2. 1号不渡り…資不足・取引なし
  3. 2号不渡り…契約不履行・詐取・紛失・盗難・印鑑相違・偽造・変造

手形の不渡りという場合、ほとんどが1号不渡りであり、遡求権の対象となるのもこの1号不渡りである。

遡及の会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
不渡手形

所持している手形不渡りになった場合、受取手形勘定資産)から不渡手形勘定資産)に振り替える。

自分より前の裏書人に対して遡求(償還請求)する場合、支払拒絶証書の作成費用などを支払ったときは、その額も含めて請求できるので、不渡手形勘定借方に記帳する。

そして、請求した代等を回収できた場合は、不渡手形勘定貸方に記帳して不渡手形を減少させる。

なお、遅延利息も受け取った場合は、収益として受取利息勘定で処理をする。



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