有形固定資産の買換
買換とは
買換の定義・意味など
買換(かいかえ)とは、所有する有形固定資産を下取りに出し、その下取り価額を代金の一部にあてて新しい有形固定資産を購入することをいう。
買換の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
有形固定資産を買い換えた場合は、旧有形固定資産の売却(下取り)※と新有形固定資産の購入という2つの取引が同時に行われると考えるとわかりやすい。
まず、旧有形固定資産の売却(下取り)については、①期首から買換時までの月割り計算をした減価償却費と②買換時における減価償却累計額を計上する。
次に、新有形固定資産の購入については、③車両運搬具勘定を使用して取得原価を計上する。
そして、①~③の仕訳をまとめる。
取引の具体例と仕訳の仕方
期首に買い換えた場合
車両(取得原価100万円、減価償却費の累計額40万円)を、期首に現金50万円で下取りに出し、150万円の新車を購入した(ローンで購入)。
間接法で記帳している場合
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
車両運搬具 |
1,500,000
|
車両運搬具 |
1,000,000
|
減価償却累計額 |
400,000
|
未払金 |
1,000,000
|
固定資産売却損 |
100,000
|
直接法で記帳している場合
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
車両運搬具 |
1,500,000
|
車両運搬具 |
600,000
|
固定資産売却損 |
100,000
|
未払金 |
1,000,000
|
期中に買い換えた場合
間接法で記帳している場合
取得原価100万円、期首減価償却累計額25万円の車両(軽自動車で法定耐用年数は4年)を6月30日に下取り価格50万円で下取りに出して、新しい車両150万円を購入した。
新車両の代金と旧車両の下取り価額との差額は銀行振込みで支払った。
また、会計期間は1月1日から12月31日の1年とする。
①旧車両売却―期首から買換時までの月割り計算をした減価償却費の計上
まず、旧車両の買換時までの月割り計算をした減価償却費は、100万円×0.25(償却率)×6カ月/12カ月=12万5千円となる。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 125,000 | 減価償却費累計額 | 125,000 |
次に、旧車両の買換時における減価償却累計額は、期首減価償却累計額25万円+買換時までの月割り計算をした減価償却費12万5千円=37万5千円となる。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費累計額 | 375,000 | 車両運搬具 | 1,000,000 |
未収金 | 500,000 | ||
固定資産売却損 | 125,000 |
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
車両運搬具 | 1,500,000 | 未収金 | 500,000 |
普通預金 | 1,000,000 |
①~③をまとめる
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 125,000 | 減価償却費累計額 | 125,000 |
減価償却費累計額 | 375,000 | 車両運搬具 | 1,000,000 |
固定資産売却損 | 125,000 | 普通預金 | 1,000,000 |
車両運搬具 | 1,500,000 |
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