貸借対照表―資産―固定資産―有形固定資産
有形固定資産とは 【tangible fixed asset】
有形固定資産の定義・意味など
有形固定資産(ゆうけいこていしさん)とは、貸借対照表の区分表示のひとつで、事業のために使用される、形のある(物体である・物理的な実体を有する)固定資産をいう。
有形固定資産の位置づけ・体系(上位概念等)
固定資産
有形固定資産は固定資産のひとつである。
なお、固定資産は、企業会計原則などにより、次の3つの種類に分類されている。
企業会計原則
(貸借対照表科目の分類)
…
(一)資産
… B 固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に区分しなければならない。
会社計算規則
(資産の部の区分)
第七十四条 …
2 固定資産に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、各項目は、適当な項目に細分しなければならない。
一 有形固定資産
二 無形固定資産
三 投資その他の資産
他の勘定科目との関係
無形固定資産
有形固定資産が形のある(物体である・物理的な実体を有する)資産であるのに対し、無形固定資産は形のない法律上の権利である。
投資その他の資産
有形固定資産が事業のために使用することを目的として所有されるのに対し、投資その他の資産は投資することを目的として所有される。
したがって、土地・建物であっても、賃貸借目的で保有している場合には、 投資その他の資産に分類される。
有形固定資産の範囲・具体例
具体例
有形固定資産に属する科目(表示科目・勘定科目)としては、次のようなものがある。
企業会計原則
建物、構築物、機械装置、船舶、車両運搬具、工具器具備品、土地、建設仮勘定等は、有形固定資産に属するものとする。
会社計算規則
(資産の部の区分)
第七十四条 …
3 次の各号に掲げる資産は、当該各号に定めるものに属するものとする。
…
二 次に掲げる資産(ただし、イからチまでに掲げる資産については、事業の用に供するものに限る。) 有形固定資産
イ 建物及び暖房、照明、通風等の付属設備
ロ 構築物(ドック、橋、岸壁、さん橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着する土木設備又は工作物をいう。)
ハ 機械及び装置並びにホイスト、コンベヤー、起重機等の搬送設備その他の付属設備
ニ 船舶及び水上運搬具
ホ 鉄道車両、自動車その他の陸上運搬具
ヘ 工具、器具及び備品(耐用年数が一年以上のものに限る。)
ト 土地
チ リース資産(当該会社がファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産であって、当該リース物件がイからトまで及びヌに掲げるものである場合に限る。)
リ 建設仮勘定(イからトまでに掲げる資産で事業の用に供するものを建設した場合における支出及び当該建設の目的のために充当した材料をいう。)
ヌ その他の有形資産であって、有形固定資産に属する資産とすべきもの
リース物件
リース物件は、有形固定資産に含まれる。
有形固定資産の分類・種類
有形固定資産は、減価償却資産と非減価償却資産とに大別できる。
有形固定資産の決算等における位置づけ等
有形固定資産の財務諸表における区分表示と表示科目
有形固定資産は、上記のように資産の種類ごとに処理をされるが、貸借対照表でも"適当な項目に細分"して表示することとされている(会社計算規則74条2項)。
貸借対照表 > 資産の部 > 固定資産 > 有形固定資産 > ◯◯
有形固定資産の表示方法
間接法
取得価額
有形固定資産については間接法が原則とされている。
つまり、取得価額を表示したうえ、減価償却累計額を控除する形式で表示する
なお、直接法により帳簿価額を表示する場合は、減価償却累計額の注記が必要になる。
直接法によると、その資産の当初の取得原価は、貸借対照表には表示されないことになって情報不足となるため、減価償却累計額を注記することが求められている。
企業会計原則注解
〔注17〕貸倒引当金又は減価償却累計額の控除形式について
貸倒引当金又は減価償却累計額は、その債権又は有形固定資産が属する科目ごとに控除する形式で表示することを原則とするが、次の方法によることも妨げない。
(1) 二以上の科目について、貸倒引当金又は減価償却累計額を一括して記載する方法
(2) 債権又は有形固定資産について、貸倒引当金又は減価償却累計額を控除した残額のみを記載し、当該貸倒引当金又は減価償却累計額を注記する方法
有形固定資産に関する制度会計と会計基準
企業会計原則・会社計算規則・財務諸表等規則
有形固定資産については、企業会計原則や会社計算規則、財務諸表等規則で定められている。
有形固定資産の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
期中に有形固定資産を購入したときはその取得原価を該当する資産勘定の借方に記帳して資産計上する。そして、その後、原則として毎決算期に減価償却により費用処理していく。
期中
購入・取得時
取得原価(取得価額)の決定方法としては、当該固定資産の購入代金のほか、購入に要したすべての付随費用を計上する。
除却時
有形固定資産を除却した場合は、その損失額を固定資産除却損勘定で処理をする。
期末(決算時)
決算整理仕訳
有形固定資産は、原則として、減価償却を実施して費用処理をする(土地、建設仮勘定を除く)。
次のページを参照。
取引の具体例と仕訳の仕方
除却時
直説法で記帳している場合
簿価1万円のパソコンを廃棄処分にした。なお、当該パソコンに評価額はない。
固定資産除却損 | 10,000 | 工具器具備品 | 10,000 |
期末(決算時)
減価償却
直接法による場合
減価償却費 | 100,000 | 工具器具備品などの有形固定資産 | 100,000 |
間接法による場合
減価償却費 | 100,000 | 減価償却累計額 |
100,000 |
有形固定資産の管理
帳簿管理
固定資産台帳など
有形固定資産は、その取得、減価償却、除却、売却などといったすべての処分を固定資産台帳に記録して管理する。
特に減価償却については、有形固定資産の取得価額等により、税法上、したがって、会計上の処理が異なってくるので管理が必要になってくる。
なお、固定資産台帳は、青色申告で簡易簿記方式による場合であっても、経費帳などとともに標準的に備え付けるべき帳簿のひとつとされている。
固定資産を管理するための書式・様式は、次のサイトのページなどにある。
帳簿組織―固定資産管理台帳01(エクセル Excel) - ビジネス文書・手紙・はがきテンプレート(書式・様式・書き方)の無料ダウンロード
有形固定資産の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
課税取引
有形固定資産の購入は、土地を除いて、消費税の課税取引とされている。
そのため、有形固定資産の取得価額に含まれる消費税は、その全額が、購入した期の仕入税額控除の対象となる。
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