株式―自己株式(金庫株)
自己株式とは
自己株式の定義・意味など
自己株式(じこかぶしき)とは、株式会社が発行後に取得して(買い戻して)保有する自己の株式をいう。
会社法
(発行可能株式総数)
第百十三条 …
4 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から発行済株式(自己株式(株式会社が有する自己の株式をいう。以下同じ。)を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。
なお、勘定科目としての自己株式勘定については次のページを参照。
自己株式の別名・別称・通称など
金庫株
自己の発行した株式を(手元の金庫に)保管するという意味で、自己株式は金庫株とも呼ばれる。
自己株式の目的・役割・意義・機能・作用など
株価維持
岩波書店 『広辞苑 第六版』
自己株式の法的性格・性質
株主資本の控除項目
自己株式それ自体は他の株式会社が発行した株式と同じく有価証券であり、旧商法では、自己株式は資産として、貸借対照表上、資産計上されていた。
しかし、自社の株式を取得することは、実質的に、株式発行という資本取引とは逆の資本の払戻しであり、出資の払戻し(会社財産の払戻し)としての性格を有する。
そこで、会社法では、自己株式は資産ではなく、純資産の部の株主資本の控除項目として取り扱われている。
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(自己株式の表示)
第六十六条 自己株式は、株主資本に対する控除項目として利益剰余金の次に自己株式の科目をもつて掲記しなければならない。
自己株式の位置づけ
資本維持の原則の例外
資本維持の原則などからは、自己株式の取得は禁止されるべきである。
実際、旧商法では自己株式の取得は原則として禁止されていたが、会社法では、同法155条で規定される所定の場合や同法156条以下で規定される株主との合意(証券市場において行う取引を含む)により自己株式を取得することが認められることになった。
自己株式の会社法上の取り扱い
保有・処分・消却
自己株式は、期間や数量等の制限がなく保有することができる。
また、保有し続けるほか、社外に売却したり(→自己株式の処分)、株主総会決議・取締役会決議により消却する(→自己株式の消却)こともできる。
自己株式の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
次のページを参照。
自己株式の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
不課税取引(課税対象外)
消費税法上、自己株式の取得・処分は不課税取引として消費税の課税対象外である。
消費税法基本通達
(自己株式の取扱い)
5-2-9 法人が自己株式を取得する場合(証券市場での買入れによる取得を除く。)における株主から当該法人への株式の引渡し及び法人が自己株式を処分する場合における他の者への株式の引渡しは、いずれも資産の譲渡等に該当しない。
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