[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


利益準備金


利益準備金とは

利益準備金の定義・意味など

利益準備金(りえきじゅんびきん)とは、会社法の規定により利益の一部を積み立てたもの=利益準備金を処理するための勘定科目をいう。

なお、会社法が定める利益準備金一般については、次のページを参照。

貸借対照表―純資産―株主資本―剰余金―利益剰余金―利益準備金

法人・個人の別

法人

利益準備金は法人特有の勘定科目である。

利益準備金決算等における位置づけ等

利益準備金財務諸表における区分表示表示科目

貸借対照表純資産の部 > 株主資本利益剰余金利益準備金

利益準備金会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
利益準備金の積立て

株主総会の決議により、剰余金の配当を決議した場合は、その配当金の1/10を利益準備金勘定貸方に記帳する。

資本の欠損のてん補

繰越利益剰余金

利益準備金の額を減少して(利益準備金を取り崩して)欠損をてん補した場合は、利益準備金の減少分を利益準備金勘定借方に記帳するとともに、繰越利益剰余金勘定貸方に記帳する。

資本金組入れ

資本金

利益準備金の額を減少して(利益準備金を取り崩して)資本金に組み入れた場合は、利益準備金の減少分を利益準備金勘定借方に記帳するとともに、資本金勘定貸方に記帳する。

剰余金組入れ

その他利益剰余金

利益準備金の額を減少して(利益準備金を取り崩して)剰余金に組み入れた場合はその他利益剰余金に計上する。

企業会計基準第1号 自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準
利益準備金の額の減少によって生ずる剰余金
21. 利益準備金の額の減少によって生ずる剰余金は、減少の法的効力が発生したとき(会社法 第448条及び第449条)に、その他利益剰余金繰越利益剰余金)に計上する。

取引の具体例と仕訳の仕方

利益準備金に繰り入れたとき

取引

株主総会繰越利益剰余金から配当1,000万円を支払う決議をし、その1/10に相当する額を利益準備金に繰り入れた。

仕訳

借方科目
貸方科目
繰越利益剰余金 11,000,000 未払配当金 10,000,000
利益準備金 1,000,000

資本の欠損のてん補

取引

利益準備金の額を減少して(利益準備金を取り崩して)欠損をてん補した。

仕訳

借方科目
貸方科目
利益準備金 ×××× 繰越利益剰余金 ××××

資本金組入れ

取引

利益準備金の一部を資本金に組み入れた。

仕訳

借方科目
貸方科目
利益準備金 ×××× 資本金 ××××

剰余金組入れ

取引

利益準備金の額を減少し(利益準備金を取り崩して)、剰余金に組み入れた。

仕訳

借方科目
貸方科目
利益準備金 ×××× その他利益剰余金 ××××

利益準備金務・法・制上の取り扱い

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

不課税取引課税対象外)

消費税法上、利益準備金不課税取引として消費税の課税対象外である。



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