仕入割戻(仕入割戻高・仕入リベート)
仕入割戻とは
仕入割戻の定義・意味など
仕入割戻(しいれわりもどし)とは、一定の期間の間に特定の取引先と、多額または多量に取引を行った場合にリベートとして商品代金の免除または払戻しを受けたときの免除額または払戻額を処理する勘定科目をいう。
仕入割戻の別名・別称・通称など
仕入割戻高・仕入リベート
仕入割戻は仕入割戻高または仕入リベートともいう。
法人・個人の別
法人・個人
仕入割戻の目的・役割・意義・機能・作用など
総額主義
仕入割戻は仕入から控除する割戻の額を帳簿上で明らかにする(総額主義)ために用いられる勘定科目である。
仕入割戻と関係する概念
仕入値引
売上割戻
仕入割戻の位置づけ・体系(上位概念等)
仕入高控除項目
※仕入割引については、それが利息としての性格を有すること(仕入割引は早期に代金を支払ったことに対する金融上の収益)から仕入高から控除することはできない(つまり、純額主義による会計処理は認められていない)。
ただし、財務諸表規則第79条に明記されているのは、仕入値引と仕入戻しの2つだけである。
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(商品仕入高の表示方法)
第七十九条 第七十五条第一項第二号の当期商品仕入高は、当期商品仕入高の名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。ただし、商品の総仕入高(仕入運賃及び直接購入諸掛を含む。)を示す名称を付した科目及びその控除科目としての仕入値引、戻し高等の項目を示す名称を付した科目をもつて掲記することを妨げない。
仕入割戻の決算等における位置づけ等
仕入割戻の財務諸表における区分表示と表示科目
表示科目
仕入高の控除科目
前述したように、仕入割戻は、損益計算書上では仕入高の控除科目として当期商品仕入高から控除して表示する。
ただし、仕入割引と同様に営業外収益として処理する場合もある。
仕入割戻の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
割戻を受けたときは、割戻分を仕入割戻勘定の貸方に記帳する(総額主義)。
ただし、商品等の仕入時の貸借反対仕訳をして仕入を直接減額する方法もある(純額主義)。
実務ではこの方法が一般的である。
認識基準(計上時期・期間帰属)
税務上、仕入割戻の計上時期は、割戻しの算定基準が契約などにより明示されている場合は、購入日、明示されていない場合は、割戻金額の通知日をもって計上するものとされている。
租税特別措置法関係通達
(仕入割戻しの計上時期)
2-5-4 購入した棚卸資産に係る仕入割戻しの金額の計上の時期は、次の区分に応じ、次に掲げる事業年度とする。
(1) その算定基準が購入価額又は購入数量によっており、かつ、その算定基準が契約その他の方法により明示されている仕入割戻し 購入した日の属する事業年度
(2) (1)に該当しない仕入割戻し その仕入割戻しの金額の通知を受けた日の属する事業年度
取引の具体例と仕訳の仕方
仕入割戻勘定を用いて処理する方法(総額主義)
買掛金 | 10万 | 仕入割戻 | 10万 |
仕入を直接減額する方法(純額主義)
買掛金 | 10万 | 仕入 | 10万 |
仕入割戻の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
課税取引
消費税法上、仕入割戻は消費税の課税対象となる(仕入税額控除の対象となる)。
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