現金過不足の整理
現金過不足の整理とは
現金過不足の整理の定義・意味など
現金過不足の整理(げんきんかぶそくのせいり)とは、決算日において現金過不足が存在している場合において、決算整理事項のひとつとして、現金過不足の残高をなくして現金過不足を整理することをいう。
現金過不足の整理の目的・役割・意義・機能・作用など
期中において、現金過不足がある場合には、適宜、その原因(たとえば、記帳漏れ、記入ミス、使用する勘定科目を間違えたなど)をつかみ、帳簿上の残高を実際の現金残高にあわせる。
ただし、その原因がすぐに分からない場合は、とりあえず現金過不足勘定で処理し、後日、原因が判明したときに正しい勘定に振り替える。
しかし、決算日においても現金過不足の原因が判明しない場合には、決算整理事項のひとつとして現金過不足の整理が必要になる。
現金過不足の整理の位置づけ・体系(上位概念等)
決算整理事項
現金過不足の整理は決算整理事項のひとつである。
なお、決算整理事項には現金過不足の整理も含めて次のようなものがある。
- 収入金額の整理
- 必要経費の整理
- 売上原価の算定
- 経過勘定項目関係
- 期末商品の評価
- 消耗品の整理
- 引当金の設定
- 減価償却費の計上
- 営業権の償却
- 繰延資産の償却
- 有価証券の評価替え
- 社債関係
- 現金過不足の整理
- 当座預金の修正
- 引出金の整理
- 税金関係
現金過不足の整理の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
期末(決算時)等
決算日になっても現金過不足の原因が判明しない場合には、現金過不足勘定を雑損失(雑損)または雑収入(雑益)勘定に振り替える。
現金過不足勘定の残高が借方残高の場合は期中に現金不足が生じていたことになるので、この不足分を費用として処理する。
具体的には、不足額を現金過不足勘定の貸方から雑損失(雑損)勘定の借方に振り替える
現金過不足勘定の残高が貸方残高の場合は期中に現金過剰が生じていたことになるので、この過剰分を収益として処理する。
具体的には、過剰額を現金過不足勘定の借方から雑収入(雑益)の貸方に振り替える。
取引の具体例と仕訳の仕方
現金不足(帳簿残高>実際有高)の場合
決算日になっても現金不足があったので、その不足額を整理した。
雑損失 | ✕✕✕✕ | 現金過不足 | ✕✕✕✕ |
現金過剰(帳簿残高<実際有高)の場合
決算日になっても現金過剰があったので、その過剰額を整理した。
現金過不足 | ✕✕✕✕ | 雑収入 | ✕✕✕✕ |
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