雑収入(雑益) - [経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。



雑収入(雑益)

雑収入とは

雑収入の定義・意味など

雑収入(ざつしゅうにゅう)とは、営業外収益に属するもののうち、他のいずれの勘定科目にもあてはまらないもの、あるいは、独立の科目とするほど額的に重要でないもの(取引額が少額なもの)を処理する収益勘定をいう。

雑収入勘定の別名・別称・通称など

雑役

雑収入は、雑益(ざつえき)ともいう。

雑収入の目的・役割・意義・機能・作用など

雑収入は、販売管理費雑費と同じく、営業外収益の「その他」収入を取り扱うための勘定科目である。

つまり、営業外収益の諸科目では取り扱うことができない取引を処理するための科目である。

雑収入の範囲・具体例

雑収入の範囲

雑収入として処理する範囲は会社によりかなり異なる。

ただし、金融商品取引法上の財務諸表等規則では、営業外収益の10%を基準とし、1項目でこれを超えるものについては、独立科目として表示することとされている。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
営業外収益の表示方法)
第九十条  営業外収益に属する収益は、受取利息有価証券利息を除く。)、有価証券利息受取配当金有価証券売却益仕入割引その他の項目の区分に従い、当該収益を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。ただし、各収益のうちその額が営業外収益の総額の百分の十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるもの(←雑収入)については、当該収益を一括して示す名称を付した科目をもつて掲記することができる。

雑収入の具体例

現金過不足

帳簿上の現金残高と実際の現金の在り高が一致しない場合には、一時的に現金過不足勘定を用いて帳簿残高を実際の現金に一致させておき、後日不一致の原因がわかったときに正しい勘定科目振り替える。

しかし、期末決算日)になっても現金過剰がありその原因が不明の場合は、その残高を雑収入勘定振り替え収益として処理する(→現金過不足の整理)。

保険会社の契約者配当金

受取配当金

還付金

法人税・都道府県民などの還付金

次のページなどを参照。

法人税の還付金

欠損金の繰戻しによる還付(欠損金繰戻の還付)

消費税還付金

税込処理方式を採用している場合、決算時には、消費税等の仮払額と消費税等の仮受額を相殺し、消費税等の仮払額が消費税等の仮受額より大きいときは、その差額は還付を受けるべき消費税として雑収入勘定で処理する(消費税収益として認識する)。

還付加算金

還付加算金とは、還付金額に一定率を乗じて算出される額で還付金利息としての性格を持つ。

通常の営業活動以外で受け取った家賃収入地代収入

会社の場合、通常の営業活動以外で受け取った家賃収入は、雑収入勘定で処理する。

ただし、額が大きい場合などは、受取賃貸料(または受取家賃)など独立した科目で処理する。

通常の営業活動で受け取った家賃収入は、売上に計上する。

保険金

賃貸収入

家賃収入地代収入、駐場賃貸収入など。

損害賠償金受取

たとえば、自動車事故により損害保険会社から入金された修理代など。

祝儀祝い金

祝儀を受け取った場合は、雑収入勘定で処理をする。

なお、祝儀は、消費税法上、不課税取引として消費税の課税対象外となる。

作業屑の売却収入

作業屑の売却収入は、その発生が恒常的でないもの、またはその額の僅少なものは雑収入勘定で処理し、営業外収益に属させることができる。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(財務諸表等規則ガイドライン)
72-1 規則第72条第1項の売上高(同項ただし書きの規定により掲記している場合には、 同項第1号に規定する総売上高額から同項第2号に規定する売上値引及び戻り高の額を控除した額をいう。)には、手持原材料及び貯蔵品の売却額を含むものとする。ただし、作業くず、手持原材料又は貯蔵品の処分益でその発生が恒常的でないもの又はその額 の僅少なものは、営業外収益に属させることができるものとする。

消費税の確定申告時に発生する差額調整

仮受消費税勘定額(預かった消費税額)より、仮払消費税額(支払った消費税額)が大きくなった場合、会計理論上は、その差額が還付を受けるべき消費税として、未収消費税未収消費税等未収還付消費税未収還付消費税等勘定で処理するということになる。

ただし、実際の消費税の確定申告書で算出される還付額と、この仮払消費税仮受消費税の差額とは一致しないことが通常である(端数処理が行われるため)。

そこで、この不一致を雑収入勘定を使って調整する。

なお、この場合、摘要に「消費税差額」などと記入しておくとよい。

アフィリエイト収入

アフィリエイトの収入は雑収入勘定などで処理をする。

ただし、個人の場合であって、アフィリエイトが社会通念上「事業」といえるものであるときは、所得法上、雑所得ではなく事業所得として確定申告をすることになるので、売上に計上することになる。

法人の場合も、アフィリエイトが本業であるときは、営業外収益ではなく営業収益として売上に計上する。

なお、アフィリエイトの支払い側は広告宣伝費勘定などで処理する。

雑収入の決算等における位置づけ等

雑収入の財務諸表における区分表示表示科目

損益計算書経常損益の部 > 営業外損益の部 > 営業外収益 > 雑収入

区分表示
営業外収益

雑収入は営業外収益に属する。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
営業外収益の表示方法)
第九十条  営業外収益に属する収益は、…。ただし、各収益のうちその額が営業外収益の総額の百分の十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該収益を一括して示す名称を付した科目をもつて掲記することができる。

雑収入の会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
期末決算時)等

現金過不足の整理決算整理事項

現金過不足勘定残高貸方残高の場合は期中現金過剰が生じていたことになるので、この過剰分を収益として処理する。

具体的には、過剰額を現金過不足勘定借方から雑収入雑益)の貸方振り替える。

消費税の計上決算整理事項

税込処理方式を採用している場合、決算時には、消費税等の仮払額と消費税等の仮受額を相殺し、消費税等の仮払額が消費税等の仮受額より大きいときは、その差額は還付を受けるべき消費税として未収消費税等勘定借方に記帳して資産計上するとともに、雑収入雑益勘定貸方に記帳して収益計上する(消費税収益として認識する)。

管理
補助科目の作成等

受取利息受取配当金のように、本来は独立科目で管理するものでも、その発生がまれで、額的に重要でないもの(取引額が少額なもの)については、雑収入として処理してもよい。
ただし、会社の場合、法人税申告書の勘定科目内訳明細書のひとつに「雑益、雑損失等の内訳書」があり、そこに雑収入の主な内容を記載する必要がある。
そこで、雑収入の仕訳では、補助科目摘要などを使用して、その内訳を明確にしておく必要がある。

取引の具体例と仕訳の仕方

期中
保険金を受け取ったとき
借方科目貸方科目
普通預金
××××
雑収入
××××

作業屑を売却したとき

取引

作業屑を売却し、その代現金で受け取った。ただし、売却額がわずかなので営業外収益として取り扱う。

仕訳

借方科目
貸方科目
現金 ✕✕✕✕ 雑収入 ✕✕✕✕

期末決算時)
現金過不足現金過剰)

取引

決算日になっても現金過剰があったので、その過剰額を整理した。

仕訳

借方科目
貸方科目
現金過不足 ✕✕✕✕ 雑収入 ✕✕✕✕

還付金

消費税還付金

取引

決算にあたり、消費税等の仮払額10万円と消費税等の仮受額8万円を相殺し、その差額を還付される消費税として計上した。なお、税込処理方式を採用している。

仕訳

借方科目
貸方科目
未収消費税等 2万円 雑収入 2万円

個人事業主の場合

個人事業主の場合は、雑収入勘定で処理せず、事業主借勘定を用いて処理する。

取引

確定申告の結果、源泉所得税還付され、届け出ていた普通預金口座に振り込まれた。
還付金額:10,000円
還付加算金額:1,000円

仕訳

借方科目貸方科目
普通預金
11,000
事業主借
11,000

務上、還付金所得を構成しないが、還付加算金は雑所得に該当する。したがって、翌年は雑所得として申告する必要がある。

雑収入の務・法・制上の取り扱い

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

雑収入となるものは、その内容により、消費税の課税対象となるものとならないものがあるため、個別に判定する必要がある。

原則
課税取引

消費税法上、雑収入は原則として課税取引として課税売上げに該当する。

例外
非課税取引

例外的に、家賃収入地代収入などのうち、住宅の賃貸に関するものは貸付期間が1カ月に満たない場合などを除き非課税取引となる。

No.6225 地代家賃権利金敷金など|消費税国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6225.htm

不課税取引課税対象外)

法人税の還付金消費税の確定申告時に発生する差額調整分(税抜処理方式の場合)生命保険の保険金など受取保険金損害賠償金祝儀その他寸志等の銭収入などは不課税取引として消費税の課税対象外となる。

ただし、税込処理方式の場合、消費税の還付金については原則どおり課税取引に該当する(税込処理方式消費税費用として認識しているため)。



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