減価償却―対象―減価償却資産―範囲・具体例―資本的支出と収益的支出(修繕費)―区別基準 - [経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。

減価償却―対象―減価償却資産―範囲・具体例―資本的支出と収益的支出(修繕費)―区別基準



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資本的支出と収益的支出の区別基準

固定資産の維持、修理、改良等のための費用を支出した場合、その支出が資本的支出となるか、収益的支出となるかで、会計処理が大きく異なってくる。

すなわち、資本的支出となれば、その費用固定資産となり、長い期間をかけて減価償却をする(費用処理をする)ことになるが、収益的支出となれば、修繕費として当該年度に一括して必要経費損金に算入できる。

しかし、実務では資本的支出収益的支出修繕費)との区別の判断が困難な場合もある。

そこで、資本的支出収益的支出とを区別するための判断基準が問題となる。

この点、法人税基本通達では、資本的支出修繕費の具体例が示されている。

ただし、これは例示にすぎないため、現実には判断が困難な場合もある。

そのため、同通達はさらに形式基準も定めているので、これに照らして、順次判定していくことになる。

法人税法上の基準①具体例

物理的な付加(取付・増築・拡張・延長など)・改造または改装(用途変更のための模様替えなど)・高品質化または高性能化

次に掲げるような額は、原則として資本的支出に該当する。

  1. 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額
  2. 用途変更のための模様替え等改造または改装に直接要した費用の額
  3. 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の

法人税基本通達
第8節 資本的支出修繕費
資本的支出の例示)
7-8-1 法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する額が資本的支出となるのであるから、例えば次に掲げるような額は、原則として資本的支出に該当する。
(1) 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額
(2) 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額
(3) 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の
(注) 建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得に当たる。

なお、以上の例示は所得法上もあてはまる。

参考元:国税庁『平成22年分青色申告の決算の手引き』

法人税法上の基準②形式基準

基準①

ひとつの修理や改良のために支出した費用が、次のいずれかに該当すれば、修繕費として損金経理することができる。

  • 支出額が20万円未満の場合
  • おおむね3年以内の周期で修理や改良が行われている場合

法人税基本通達
(少額又は周期の短い費用損金算入
7-8-3 一の計画に基づき同一の固定資産について行う修理、改良等(以下7-8-5までにおいて「一の修理、改良等」という。)が次のいずれかに該当する場合には、その修理、改良等のために要した費用の額については、7-8-1にかかわらず、修繕費として損金経理をすることができるものとする。
(1) その一の修理、改良等のために要した費用の額(その一の修理、改良等が2以上の事業年度(それらの事業年度のうち連結事業年度に該当するものがある場合には、当該連結事業年度)にわたって行われるときは、各事業年度ごとに要した額。以下7-8-5までにおいて同じ。)が20万円に満たない場合
(2) その修理、改良等がおおむね3年以内の期間を周期として行われることが既往の実績その他の事情からみて明らかである場合

基準②

資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない額がある場合、その額が次のいずれかに該当すれば、修繕費として損金経理することができる。

法人税基本通達
(形式基準による修繕費の判定)
7-8-4 一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない額がある場合において、その額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理をすることができるものとする。
(1) その額が60万円に満たない場合
(2) その額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合

基準③

資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない額がある場合、割合区分による方法を採用しているときは、継続適用を条件として、次のいずれか少ない額を修繕費として損金経理することができる。

法人税基本通達
資本的支出修繕費の区分の特例)
7-8-5 一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない額(7-8-3又は7-8-4の適用を受けるものを除く。)がある場合において、法人が、継続してその額の30%相当額とその修理、改良等をした固定資産の前期末における取得価額の10%相当額とのいずれか少ない額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、これを認める。

基準④

災害などで損傷した固定資産に対する支出額で、資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでないものは、支出額の30%相当額を修繕費として損金経理することができる。

法人税基本通達
(災害の場合の資本的支出修繕費の区分の特例)
7-8-6 災害により被害を受けた固定資産について支出した次に掲げる費用に係る資本的支出修繕費の区分については、7-8-1から7-8-5までの取扱いにかかわらず、それぞれ次による。
(1) 被災資産につきその原状を回復するために支出した費用は、修繕費に該当する。
(2) 被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出した費用について、法人が、修繕費とする経理をしているときは、これを認める。
(3) 被災資産について支出した費用(上記(1)又は(2)に該当する費用を除く。)の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでないものがある場合において、法人が、その額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、これを認める。



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