[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


役員給与


役員給与とは

役員給与の定義・意味・意義

役員給与とは、役員に対して支給される報酬の総称をいう。

 

役員給与の分類・種類

法人税法上、役員給与は、次の3つの種類に分類され、それぞれその取り扱いが異なる。

  1. 役員報酬
  2. 役員賞与
  3. 役員退職金退職給与

役員給与の趣旨・目的・役割・機能

2006年(平成18年)施行の会社法により、一定の役員賞与についても役員報酬と同様に費用計上することになり、従前の役員報酬役員賞与が役員給与としてまとめられた。

対策・節方法としての役員給与

役員給与のうち、役員報酬役員退職金については節対策・節方法として利用できる。

実際、零細企業(特に、一人会社)では、節対策として使用されていることも多い。

たとえば、役員報酬については、法人税所得を合わせた税金がもっとも少なくなるように設定することで効果的な節対策ができる。

 

ただし、役員報酬として損金算入が認められるには、法人税法上、一定の制限が加えられていて、定期同額であること等が条件とされ、臨時のボーナスなどは認められない(これに対して、従業員の臨時ボーナス経費として認められる)。

また、役員報酬遡及的な支給も認められていない。

役員給与の損金不算入制度とは―役員給与の損金算入の可否

 

したがって、役員給与を節対策として使用する場合、その最適額(会社税金役員税金をトータルで考えて一番有利な報酬額)は、予想利益との関係で事前に決定しなければならないことになる。

そして、そのためには、正確なシミュレーションが必要となる。

 

 

役員給与の会計簿記経理上の取り扱い

会計経理処理方法・簿記の記帳の仕方・使用する勘定科目

役員報酬役員賞与退職給与勘定

役員報酬役員賞与退職給与は、それぞれ、役員報酬勘定役員賞与勘定退職給与勘定などの科目を使用して処理をする。

    役員給与の務・法・制上の取り扱い

    損金算入の可否―法人税法上

    前述したように、法人税法上、役員給与は、次の3つの種類に分類され、それぞれその取り扱いが異なる。

    役員報酬

    定期同額給与事前確定届出給与利益連動給与については、役員報酬としてその全額の損金算入が認められている。

    役員賞与

    上記以外の役員報酬(定期同額以外の役員報酬・事前届出のない役員報酬利益に連動していない役員報酬)については、役員賞与として取り扱われ、損金算入が認められない。

    つまり、役員賞与という費用が増加しても、法人税法上の利益である所得は減少しないということである。

    したがって、社長などの役員役員賞与ではなく、役員報酬というかたちで給与をもらったほうが法人税法上は有利である。

    役員退職金

    役員退職金については一定の限度で損金算入が認められている。

    会社損金算入できる役員退職金の上限は次のとおり。

    損金算入できる役員退職金の上限 = 最終報酬月額 × 在任年数 × 功績倍率

    最終報酬月額

    最終報酬月額については、たとえば、退職する直前の1年前になって突然増額することも可能である。

    これを禁止する規定はないからである。

    ただし、務署によっては問題にするところがあるかもしれない。

    功績倍率

    功績倍率は一般的には3倍としているところが多いようである。



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