前払い―具体例―内金
内金とは
内金の定義・意味など
内金(うちきん)とは、売買や請負などで、全額の代金・報酬の支払いに先立ってその一部を支払うこと、または、その金をいう。
三省堂 『スーパー大辞林』
内金の目的・役割・意義・機能・作用など
商品の引取りや引渡し等の確実性
商品の引取りや引渡し等を確実に行うために内金の支払い・受取りが行われる。
『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、66項。
内金と関係する概念
類似概念・類義語
手付金
手付金(または、単に手付)とは、売買・賃貸・請負などの契約締結の際に、契約の証拠(証約手付)、違約損害の補填(違約手付)、解除権の留保(解約手付)として、買い主や注文主が相手方に交付する金銭をいう。いずれ代金に含めるが、代金そのものではない。
民法は手付金が交付された場合には解約手付であると推定している(民法557条第1項)。
内金の多くは、手付金の性質をもつ※が、単に代金の一部前払いにすぎない場合もある。
※岩波書店 『広辞苑 第六版』
内金の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
前受金・前払金(支払手付金)
内金(または手付金)を受け取った場合は前受金勘定(負債)、内金等を支払った場合は前払金勘定(資産)などで処理をする。
ただし、民法上、手付には、単に代金の一部前払いにすぎない場合の内金とは異なり、特別の効力が認められている(民法第557条第1項)。
そこで、手付金については内金と区別して管理するために特に支払手付金勘定が用いられる場合もある。
また、未完成の建物・構築物・機械装置・船舶などの有形固定資産について、その完成・引渡しまでに前払いした諸費用については建設仮勘定(資産)で処理をする。
取引の具体例と仕訳の仕方
内金を受け取った場合
商品を引き渡す前に内金を受け取ったとき
現金 | ✕✕✕✕ | 前受金 | ✕✕✕✕ |
商品を納品して残金を受け取ったとき
前受金 | ✕✕✕✕ | 売上 | ✕✕✕✕ |
現金 | ✕✕✕✕ |
内金の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
不課税取引(課税対象外)
消費税の課税資産の譲渡等や課税仕入れの時期は、所得税、法人税の場合と同じように、原則として資産の引渡しやサービスの提供があったときとされている。
したがって、内金を受け取ったり、支払っていたとしても、その受取や支払の時期に関係なく、実際に引渡しやサービスの提供があったときが売上げや仕入れの時期となるので、内金は消費税の課税対象外となる。
No.6165 前受金や前払金などがあるとき|消費税|国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6165.htm
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