[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


支払手付金


支払手付金とは

支払手付金の定義・意味など

支払手付金(しはらいてつけきん)とは、商品原材料仕入れ外注加工の依頼の際に支払った手付金を、商品の引き渡し等を受けるまでに一時的に管理するための勘定科目をいう。

支払手付金の目的・役割・意義・機能・作用など

手付金内金の区別

通常、内金手付金の支払いを管理するには前渡金勘定が用いられるが、手付金内金と区別して管理するために特に支払手付金勘定が用いられる場合がある。

民法上、手付には、単に代の一部前払いにすぎない場合の内金とは異なり、特別の効力が認められている。

すなわち、手付金が交付された(支払われた)場合には、それは解約手付であると推定され、買い主は手付金を放棄し、売主は手付金の倍返しをすれば、各々が売買契約を解除することができる(約定解除の一種)。

民法
第五百五十七条  買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。

そこで、手付金として前渡しをした場合には、内金など他の前渡金と区別するために、特に支払手付金勘定を用いて処理をする。

支払手付金の科目属性

手付金前渡金と同様、商品サービスの交付を請求できる債権なので、資産科目である。

支払手付金勘定決算等における位置づけ等

支払手付金勘定財務諸表における区分表示表示科目

貸借対照表資産流動資産前渡金

特に、前渡金と区別して支払手付金勘定を用いている場合であっても、貸借対照表上は、前渡金として表示する。

支払手付金の会計簿記経理上の取り扱い

取引の具体例と仕訳の仕方

取引

商品の一部を手付金として現金前払いした

仕訳

借方科目
貸方科目
支払手付金 ×××× 現金 ××××

支払手付金の務・法・制上の取り扱い

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

不課税取引課税対象外)

消費税課税仕入れの時期は、所得法人税の場合と同じように、原則として資産の引渡しやサービスの提供があったときとされている。
したがって、内金を支払っていたとしても、その支払時期に関係なく、実際に引渡しやサービスの提供があったときが仕入れの時期となるので、支払手付金は消費税の課税対象外となる。

参考:No.6165 前受金前払金などがあるとき|消費税国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6165.htm



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