貸借対照表―資産―固定資産―有形固定資産―減価償却
有形固定資産の減価償却
原則
一般の減価償却資産
期中に有形固定資産を購入したときは、会計上、原則として、減価償却資産として、該当する資産勘定の借方に記帳して資産計上したうえ、その後耐用年数にわたって毎決算期に定額法や定率法などの償却方法による減価償却により費用処理していく。
企業会計原則
資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分の原則によって、各事業年度に配分しなければならない。有形固定資産は、当該資産の耐用期間にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分し…
例外
①特別の減価償却資産
少額減価償却資産
税法(法人税法・所得税法)により、取得価額が10万円未満の有形固定資産は少額減価償却資産として、取得時に取得価額の全額を必要経費または損金に算入することが認められている(→少額減価償却資産の即時償却(一時償却))。
さらに、租税特別措置法の特例により、青色申告者である中小事業者・中小企業者等の場合は、取得価額30万円未満の有形固定資産についても、その取得価額の全額を必要経費または損金に算入することが認められている(→少額減価償却資産の即時償却(一時償却)の特例)。
会計実務は税法上の処理にしたがうことが多いので、これらに該当する場合は、資産計上せずに消耗品費などの費用勘定の借方に記帳して費用処理をする。
なお、一括償却資産として、3年間で均等償却することもできる(→一括償却資産の3年均等償却)。
一括償却資産
税法により、取得価額が20万円未満の減価償却資産は一括償却資産として、通常の減価償却の方法とは異なり、3年間で均等償却することもできる(→一括償却資産の3年均等償却)。
②非減価償却資産
美術品等
次に掲げる美術品等については資産計上はするが、非減価償却資産として減価償却をすることができない。
※逆に言えば、1点100万円未満の美術品等であれば、減価償却資産として取り扱い、減価償却をすることができるということである。
法人税基本通達
(美術品等についての減価償却資産の判定)
7-1-1 「時の経過によりその価値の減少しない資産」は減価償却資産に該当しないこととされているが、次に掲げる美術品等は「時の経過によりその価値の減少しない資産」と取り扱う。
(1) 古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの
(2) (1)以外の美術品等で、取得価額が1点100万円以上であるもの(時の経過によりその価値が減少することが明らかなものを除く。)
(注) 1 時の経過によりその価値が減少することが明らかなものには、例えば、会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として法人が取得するもののうち、移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなものであり、かつ、他の用途に転用すると仮定した場合にその設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものが含まれる。
2 取得価額が1点100万円未満であるもの(時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなものを除く。)は減価償却資産と取り扱う。
③任意償却
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