社債発行差金
社債発行差金とは
社債発行差金の定義・意味など
社債発行差金(しゃさいはっこうさきん)とは、社債を割引発行した場合における社債の額面金額(社債金額。償還金額。返済しなければならない金額)と発行価額(払込金額)との差額を処理する費用または資産勘定をいう。
社債発行差金の目的・役割・意義・機能・作用など
日本では、通常、社債の利率が市場利子率よりも低いため、割引発行が一般的である。
そのため社債の額面金額と発行価額との差額の会計処理を行う必要があるが、社債発行差金は当該差額を費用計上、または繰延資産として資産計上するための勘定科目である。
社債発行差金の歴史・沿革・由来・起源・経緯など
「金融商品に係る会計基準」(企業会計基準第10号)
旧商法では社債は額面金額で貸借対照表に計上しなければならないとされていたが、会社法では時価または適正な価格で計上することができるとされた。
会社計算規則
(負債の評価)
第六条 …
2 次に掲げる負債については、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。
…
二 払込みを受けた金額が債務額と異なる社債
…
これを受けて「金融商品に係る会計基準」(企業会計基準第10号)では償却原価法にもとづいて算定された価額をもって貸借対照表価額とすることとされた。
企業会計基準第10号 金融商品に係る会計基準
5.金銭債務
26. 支払手形、買掛金、借入金、社債その他の債務は、債務額をもって貸借対照表価額とする。 ただし、社債を社債金額よりも低い価額又は高い価額で発行した場合など、収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、償却原価法に基づいて算定された価額をもって、貸借対照表価額としなければならない。
具体的には、従来、繰延資産等として取り扱われてきた社債発行差金に相当する額を社債金額から直接控除することになった。
したがって、現在、社債発行差金勘定は用いられていない。
なお、実務対応報告書第19号「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」でも社債発行差金は繰延資産の範囲から削除されている。
社債発行差金の科目属性
社債発行差金は費用として処理することができるが、社債発行の効果は数期間に及ぶため、繰延資産とすることもできる。
なお、社債発行差金には前払利息としての性格がある。
社債発行差金の決算等における位置づけ等
社債発行差金の財務諸表における区分表示と表示科目
社債発行差金の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
社債発行差金に相当する額の会計処理等については、次のページなどを参照。
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