引出金
引出金とは
引出金の定義・意味など
引出金(ひきだしきん)とは、個人事業主が事業資金を私的な目的(事業以外の目的)に使用した(→資本の引き出し)場合に処理する資本金(または元入金)の評価勘定をいう。
法人・個人の別
個人
引出金の目的・役割・意義・機能・作用など
期中に個人事業主が事業資金を生活費などに私的に使用した=資本を引き出したときは、資本金自体を減少させるのが原則である。
ただし、頻繁に資本を引き出す場合は、その取引を資本金勘定に記帳すると、期首の資本金額や期中の引出額がわからなくなる。
『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、140項。
そこで、期中は資本金勘定の代わりとして資本金の評価勘定である引出金勘定を設定したうえ同勘定で処理をし、期末には、資本金勘定とまとめて相殺する(資本金勘定に振り替える)。
つまり、期中の引出金は資本金とあわせることで実際の資本金の額を表す。
引出金の範囲・具体例
引出金で処理をするものとして次のようなものがある。
引出金の位置づけ・体系(上位概念等)
評価勘定
引出金は評価勘定のひとつである。
評価勘定には次のようなものがある。
他の勘定科目との関係
事業主貸
引出金ではなく事業主貸勘定(事業主の個人に対する貸付。資産)を使用して処理する場合もある。
引出金の決算等における位置づけ等
引出金の財務諸表における区分表示と表示科目
引出金の整理
引出金は評価勘定であり、期末に決算整理事項のひとつとして引出金の整理をして資本金勘定に振り替える(資本金勘定と相殺する)ので、貸借対照表には表示されない。
引出金の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
期中
期中に、個人事業主が事業資金を生活費などに私的に使用した=資本を引き出したときは、その引出額を引出金勘定の借方に記帳する。
期末(決算時)等
決算では、決算整理事項のひとつとして引出金の整理、すなわち、引出金勘定の貸方から資本金勘定の借方に振り替えて、資本金勘定と相殺する。
取引の具体例と仕訳の仕方
資本を引き出したとき
引出金 | 1万 | 現金 | 1万 |
引出金の整理
資本金 | ✕✕✕✕ | 引出金 | ✕✕✕✕ |
引出金の税務・税法・税制上の取り扱い
引出金の必要経費算入(所得税法)の可否
ただし、家事関連費は、家事按分により事業で使用する分は経費に計上できる。
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
不課税取引(課税対象外)
消費税法上、引出金は不課税取引として消費税の課税対象外である。
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