権利金 - [経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。

権利金



権利金とは

権利金の定義・意味など

権利金(けんりきん)とは、不動産の賃貸借に際し、賃借権設定の対価として、賃料以外に賃借人から賃貸人に支払われる銭をいう。

岩波書店 『広辞苑 第六版』

ただし、敷金と異なり、契約終了後返還されない銭で、礼金と呼ばれることもある。

参考:三省堂 『スーパー大辞林』、小学館 『日本国語大辞典』

また、法上は、権利金とは借地権土地の賃借権)の対価をいう。

法人税法施行令
土地の使用に伴う対価についての所得の計算)
第百三十七条  借地権(地上権又は土地の賃借権をいう。以下この条において同じ。)若しくは地役権の設定により土地を使用させ、又は借地権の転貸その他他人に借地権に係る土地を使用させる行為をした内国法人については、その使用の対価として通常権利金その他の一時金(以下この条において「権利金」という。)

参考:No.3111 土地を貸し付けて権利金などをもらったとき|譲渡所得国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3111.htm など

権利金の会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
礼金の意味での権利金の場合

期中

長期前払費用

法上、礼金は「資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ちのき料その他の費用」として、繰延資産とされている(所得法施行令7条・法人税法施行令第14条)。

所得法施行令
繰延資産の範囲)
第七条  法第二条第一項第二十号 (繰延資産の意義)に規定する政令で定める費用は、個人が支出する費用資産の取得に要した額とされるべき費用及び前払費用を除く。)のうち次に掲げるものとする。

 前二号に掲げるもののほか、次に掲げる費用で支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶもの

 資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ちのき料その他の費用

法人税法施行令
繰延資産の範囲)
第十四条  法第二条第二十四号 (繰延資産の意義)に規定する政令で定める費用は、法人が支出する費用資産の取得に要した額とされるべき費用及び前払費用を除く。)のうち次に掲げるものとする。

 前各号に掲げるもののほか、次に掲げる費用で支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶもの

 資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ちのき料その他の費用

しかし、会計上、すなわち、実務対応報告書第19号「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱いでは、創立費開業費開発費株式交付費社債発行費等新株予約権発行費を含む)の5つが繰延資産として列挙されているが、そのなかに礼金は含まれていない。

会社法で繰延資産の限定列挙が廃止され、繰延資産の範囲は会計慣行に委ねられることとなった。

つまり、礼金税法独自の繰延資産であるので、会計上の処理としては、長期前払費用として計上し、貸借対照表区分表示としては「投資その他の資産」に表示することになる。

中小企業の会計に関する指針
費用として処理しなかった税法固有の繰延資産は、長期前払費用等として計上する。

企業会計原則注解
[注16] 流動資産又は流動負債固定資産又は固定負債とを区別する基準について

 前払費用については、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとし、一年をこえる期間を経て費用となるものは、投資その他の資産に属するものとする。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
投資その他の資産区分表示
第三十二条  投資その他の資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。

十一  長期前払費用

期末決算時))

繰延資産の償却

繰延資産で計上するにせよ、長期前払費用で計上するにせよ、礼金は償却(繰延資産の償却)することができる。

すなわち、通常は5年で償却し、契約期間が5年未満で更新時に更新料を支払う場合はその賃貸契約期間で償却する。

No.5460 建物を賃借するための権利金等|法人税国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5460.htm

ただし、支出する額が20万円未満の少額なものについては、その全額を支出時に支払手数料勘定などを使用して費用計上することが認められている(→少額繰延資産)(法人税法施行令第134条)。

借地権土地の賃借権)の対価の意味での権利金の場合

借地権

次のページを参照。

借地権

取引の具体例と仕訳の仕方

期中
権利金(礼金)を支払ったとき

取引

店舗の賃貸借契約を締結し、賃料や敷金以外に礼金(契約終了後返還されない銭)として現金で10万円支払った。

仕訳

借方科目
貸方科目
長期前払費用 10万 現金 10万

権利金(土地借地権の対価)を支払ったとき

取引

事業目的の建物を建設する目的で地主と土地の賃貸契約を締結し、権利金を銀行振込で支払った。

仕訳

借方科目
貸方科目
借地権 ✕✕✕✕ 普通預金 ✕✕✕✕

期末決算時)
繰延資産の償却

取引

決算にあたり、上記礼金について当期分の償却費2万円を計上した。

仕訳

借方科目
貸方科目
繰延資産償却費 2万 長期前払費用 2万

礼金務・法・制上の取り扱い

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

課税取引または非課税取引

礼金の意味での権利金は、事務所・店舗等にかかるものは課税取引、社宅など居住用にかかるものは非課税取引である。

また、借地権の対価の意味での権利金は非課税取引である。



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