商品売買―原価・売価・売上総利益―売上総利益(粗利)
(" 損益計算書―経常損益―営業損益―段階利益①―売上総利益(粗利・粗利益) "から複製)
売上総利益とは 【gross profit on sales】
売上総利益の定義・意味など
売上総利益(うりあげそうりえき)とは、マクロでは、売上高から仕入原価などの売上原価を控除して得られる利益をいう。
企業会計原則
売上総利益は、売上高から売上原価を控除して表示する。
また、ミクロでは、売価から仕入原価などを控除して得られる利益をいう。
参考:『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、51項。
なお、売上原価と仕入原価との違い・関係については次のページを参照。
商品売買―原価・売価・売上総利益―仕入原価(原価)―仕入原価と売上原価との違い・関係
売上総利益の別名・別称・通称など
粗利(粗利益・あら利益)
売上総利益の位置づけ・体系(上位概念等)
損益計算書の区分表示
なお、会社計算規則は損益計算書の要旨の記載方法について定めているが、これなどを参考にすると、損益計算書の区分表示の体系は以下のとおりになる。
会社計算規則
(当期純利益又は当期純損失)
第百四十三条 損益計算書の要旨は、次に掲げる項目に区分しなければならない。
一 売上高
二 売上原価
三 売上総利益金額又は売上総損失金額
四 販売費及び一般管理費
五 営業外収益
六 営業外費用
七 特別利益
八 特別損失
…
7 次の各号に掲げる額が存する場合には、当該額は、当該各号に定めるものとして表示しなければならない。ただし、次の各号に掲げる額(第九号及び第十号に掲げる額を除く。)が零未満である場合は、零から当該額を減じて得た額を当該各号に定めるものとして表示しなければならない。
一 売上総損益金額(零以上の額に限る。) 売上総利益金額
二 売上総損益金額(零未満の額に限る。) 売上総損失金額
三 営業損益金額(零以上の額に限る。) 営業利益金額
四 営業損益金額(零未満の額に限る。) 営業損失金額
五 経常損益金額(零以上の額に限る。) 経常利益金額
六 経常損益金額(零未満の額に限る。) 経常損失金額
七 税引前当期純損益金額(零以上の額に限る。) 税引前当期純利益金額
八 税引前当期純損益金額(零未満の額に限る。) 税引前当期純損失金額
九 当該事業年度に係る法人税等 その内容を示す名称を付した項目
十 法人税等調整額 その内容を示す名称を付した項目
十一 当期純損益金額(零以上の額に限る。) 当期純利益金額
十二 当期純損益金額(零未満の額に限る。) 当期純損失金額
損益計算書の段階利益
一般に、財務会計は、収益(売上)から費用(仕入や経費)を差し引いた利益を計算することを目的とする。
そして、この利益は損益計算書上、次の5つの種類に分類されている。
売上総利益の目的・役割・意義・機能・作用など
つまり、いくら儲かっているのかを知るためのもっとも基本的な利益である。
ただし、粗利は、売上総利益とは違う意味で使用される場合もある。
すなわち、売上総利益から、さらにさまざまな種類の費用を差し引いてくことで、次の利益の姿である営業利益、経常利益といった利益となる。
このように売上総利益は、他のすべての利益の源泉となるもので、一般的には、この売上総利益が大きければ大きいほど、次の形態の利益に配分される金額も大きくなるといえる。
売上総利益に関する指標
売上利益率(粗利率)
売上高に占める売上総利益の割合(売上総利益/売上高)を売上利益率(粗利率)というが、この利益率が高いということは、商品の収益性が高い、つまり付加価値が高いことを意味する。
売上総利益の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
三分法による場合、決算時に、在庫商品を繰越商品勘定を用いて処理したうえ、仕入勘定をベースにして売上原価の計算をすることで当期の粗利である売上総利益(売上高-売上原価)を算定する。
これに対して、分記法による場合は、期中に、直接的に売上総利益(売価-仕入原価)を商品売買益勘定を用いて記帳する。
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