未収消費税等(未収消費税・未収還付消費税等・未収還付消費税)
未収消費税等とは
未収消費税等の定義・意味など
未収消費税等(みしゅうしょうひぜいとう)とは、決算時に支払った消費税額(消費税等の仮払額または仮払消費税等の金額)が預かった消費税額(消費税等の仮受額または仮受消費税等の金額)より大きいために還付を受けることになる消費税等(=消費税還付金)を処理する資産勘定をいう。
未収消費税等の科目属性
資産
消費税の還付は確定申告後に行われるので、決算の時点では未収となる。
未収消費税等は、この未収の消費税還付金を処理する勘定科目なので、科目属性は資産となる。
未収消費税等の別名・別称・通称など
未収消費税・未収還付消費税等・未収還付消費税
未収消費税等は、未収消費税、または未収還付消費税等・未収還付消費税と表記されることもある。
消費税等とは、消費税法が規定する消費税(国税)と地方税法が規定する地方消費税(地方税(都道府県税))の総称で、「消費税等」の「等」は消費税のほか地方消費税も含まれるという意である。
法人・個人の別
法人・個人
未収消費税等は法人・個人で使用される勘定科目である。
未収消費税等の位置づけ・体系
期末(決算時)
消費税の計上(決算整理事項)
したがって、未収消費税等勘定は決算時に行う決算整理事項のひとつとしての消費税の計上で使用する。
確定申告後
消費税の還付
消費税の確定申告後に消費税の還付を受けたときにも本勘定で処理をする。
未収消費税等と関係する概念
反対概念・対概念
未払消費税等
類似概念・類義語
未収法人税等
他の勘定科目との関係
未収金(未収入金)
未収消費税等勘定の代わりに、より一般的な勘定科目である未収金(未収入金)勘定を用いる場合もある。
未収消費税等の決算等における位置づけ等
未収消費税勘定の財務諸表における区分表示と表示科目
区分表示
流動資産
未収消費税等は流動資産に属するものとして表示する。
企業会計原則注解
〔注16〕流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について
…
…、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとし、…
未収消費税等の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
期末(決算時)
税抜処理方式を採用している場合
税抜処理方式を採用している場合、決算時には、仮払消費税の金額と仮受消費税の金額を相殺し、仮払消費税の金額が仮受消費税の金額より大きいときは、その差額は還付を受けるべき消費税として未収消費税等勘定の借方に記帳して資産計上する。
なお、税抜処理方式を採用している場合には、消費税は収益には計上しない(消費税を収益として認識しない)。
消費税の会計処理方式については次のページを参照。
税込処理方式を採用している場合
税込処理方式を採用している場合、決算時には、消費税等の仮払額と消費税等の仮受額を相殺し、消費税等の仮払額が消費税等の仮受額より大きいときは、その差額は還付を受けるべき消費税として未収消費税等勘定の借方に記帳して資産計上するとともに、雑収入(雑益)勘定の貸方に記帳して収益計上する(消費税を収益として認識する)。
確定申告後
決算時に計上した未収消費税等は、消費税の確定申告後に還付される。
消費税等の還付を受けたときは、未収消費税等勘定の貸方に記帳して減少させる(税抜処理方式・税込処理方式共通)。
取引の具体例と仕訳の仕方
期末(決算時)等
税抜処理方式を採用している場合
決算にあたり、仮払消費税10万円と仮受消費税8万円を相殺し、その差額を還付される消費税として計上した。
仮受消費税等 | 8万円 | 仮払消費税等 | 10万円 |
未収消費税等 | 2万円 |
税込処理方式を採用している場合
決算にあたり、消費税等の仮払額10万円と消費税等の仮受額8万円を相殺し、その差額を還付される消費税として計上した。
未収消費税等 | 2万円 | 雑収入 | 2万円 |
確定申告後
消費税の確定申告をした後日、消費税等2万円が還付され、銀行口座に振り込まれた。
普通預金 | 2万円 | 未収消費税等 | 2万円 |
未収消費税等の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
不課税取引(課税対象外)
消費税法上、未収消費税等は不課税取引として消費税の課税対象外である。
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