引当金―分類―評価性引当金―貸倒引当金の設定―貸倒見積額の算定―会計―貸倒懸念債権
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貸倒懸念債権とは
貸倒懸念債権の定義・意味など
貸倒懸念債権(かしだおれけねんさいけん)とは、経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じているか、または生じる可能性の高い債務者に対する債権をいう。
金融商品に係る会計基準
第四 貸倒見積高の算定
一 債権の区分
貸倒見積高の算定にあたっては、債務者の財政状態及び経営成績等に応じて、債権を次のように区分する。
…
2 経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じているか又は生じる可能性の高い債務者に対する債権(以下、「貸倒懸念債権」という。)
…
貸倒懸念債権の位置づけ・体系(上位概念等)
貸倒見積高の算定
「金融商品に係る会計基準」や「中小企業の会計に関する指針」では、貸倒見積高(貸倒見積額)の算定にあたり、債務者の財政状態と経営成績等に応じて、債権を次の3つに区分したうえ、それぞれの区分に応じた貸倒見積高の算定方法を規定している。
- 一般債権 … 経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権
- 貸倒懸念債権 … 経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じているか、または生じる可能性の高い債務者に対する債権
- 破産更生債権等 … 経営破綻または実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権
貸倒懸念債権の決算等における位置づけ等
貸倒懸念債権の財務諸表における区分表示と表示科目
区分表示・表示科目
貸倒懸念債権という区分は貸倒見積高の算定(貸倒引当金の設定)のための区分であって、貸借対照表上の区分ではない(つまり、「金融商品に関する会計基準」は評価に関する基準であって、表示に関する基準ではない)。
また、財務諸表等規則32条でも、破産更生債権等のように区分掲記(つまり、破産更生債権等への振替処理)が定められていない。
したがって、貸借対照表ではもとの勘定科目(売掛金・受取手形・貸付金勘定など)の区分表示と表示科目をそのまま使用する。
貸倒懸念債権に関する会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
期中
貸倒懸念債権については、破産更生債権等勘定などに振り替える必要はなく、通常、もとの勘定科目(売掛金・受取手形・貸付金勘定など)をそのまま用いる(私見)。
前述したように、財務諸表等規則32条では、貸倒懸念債権については、破産更生債権等のように区分掲記(つまり、破産更生債権等への振替処理)が定められていない。
ただし、特に貸倒懸念債権勘定を設けてこれに振り替える会計処理も考えられる。
期末(決算時)
決算においては、「金融商品に係る会計基準」にしたがい、上記債権の区分に応じて定められた算定方法により、貸倒見積額を算定し、その見積額を当期の費用として計上する処理=貸倒引当金の設定を行う。
このうち、貸倒懸念債権は業績が悪化した相手先に対する債権なので、債権額から担保の処分見込額および保証による回収見込額を減額し、その残額(つまり、回収不能と見込まれる金額)について債務者の財政状態と経営成績を考慮して貸倒見積高を算定する。
また、この方法に加えて、債権の時価ともいえるNPVによる債権評価もできる。
金融商品に係る会計基準
第四 貸倒見積高の算定
…
二 貸倒見積高の算定方法
債権の貸倒見積高は、その区分に応じてそれぞれ次の方法による。
…
2 貸倒懸念債権については、債権の状況に応じて、次のいずれかの方法により貸倒見積高を算定する。ただし、同一の債権については、債務者の財政状態及び経営成績の状況等が変化しない限り、同一の方法を継続して適用する。
(1) 債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の財政状態及び経営成績を考慮して貸倒見積高を算定する方法
(2) 債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができる債権については、債権の元本及び利息について元本の回収及び利息の受取りが見込まれるときから当期末までの期間にわたり当初の約定利子率で割り引いた金額の総額と債権の帳簿価額との差額を貸倒見積高とする方法
…
なお、上記2 (2) の方法がNPVである。
NPVについては、次のページを参照。
ただし、税法上、貸倒懸念債権は個別評価金銭債権(個別評価貸金等)として貸倒引当金勘定への繰入限度額が別途定められている。
貸倒引当金の設定―貸倒見積額の算定―税法―貸倒引当金勘定への繰入限度額―個別評価
そのため、会計上の貸倒引当金がこの税法上の貸倒引当金の繰入限度額を超過する場合は、その金額について確定申告時に別表4で加算調整を行う必要が生じる。
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