[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


海外出張費(海外渡航費)


海外出張費の会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

会社・法人の場合
旅費交通費または役員報酬給料手当

会社・法人の場合、法上、役員または使用人の海外出張は法人の業務の遂行上必要なものであり、かつ、その出張に通常必要と認められる部分の額に限り、旅費としての経理が認められている。
そして、それ以外の額については、原則として、当該役員または使用人に対する給与として扱われる。

したがって、会計上は、旅費として扱われる場合は旅費交通費勘定給与として扱われる場合は役員報酬給料手当勘定などを用いて費用処理をする。

なお、法人の役員または使用人の海外出張が法人の業務の遂行上必要なものであるかどうかは、その旅行の目的・旅行先・旅行経路・旅行期間等を総合勘案して実質的に判定されるが、次に掲げる旅行は、原則として法人の業務の遂行上必要な海外渡航に該当しないものとされている。

  1. 観光渡航の許可を得て行う旅行
  2. 旅行あっせんを行う者等が行う団体旅行に応募してする旅行
  3. 同業者団体その他これに準ずる団体が主催して行う団体旅行で主として観光目的と認められるもの

法人税基本通達
(海外渡航費)
9-7-6 法人がその役員又は使用人の海外渡航に際して支給する旅費(仕度を含む。以下この款において同じ。)は、その海外渡航が当該法人の業務の遂行上必要なものであり、かつ、当該渡航のため通常必要と認められる部分の額に限り、旅費としての法人の経理を認める。したがって、法人の業務の遂行上必要とは認められない海外渡航の旅費の額はもちろん、法人の業務の遂行上必要と認められる海外渡航であってもその旅費の額のうち通常必要と認められる額を超える部分の額については、原則として、当該役員又は使用人に対する給与とする。
(注) その海外渡航が旅行期間のおおむね全期間を通じ、明らかに法人の業務の遂行上必要と認められるものである場合には、その海外渡航のために支給する旅費は、社会通念上合理的な基準によって計算されている等不当に多額でないと認められる限り、その全額を旅費として経理することができる。

(業務の遂行上必要な海外渡航の判定)
9-7-7 法人の役員又は使用人の海外渡航が法人の業務の遂行上必要なものであるかどうかは、その旅行の目的、旅行先、旅行経路、旅行期間等を総合勘案して実質的に判定するものとするが、次に掲げる旅行は、原則として法人の業務の遂行上必要な海外渡航に該当しないものとする。
(1) 観光渡航の許可を得て行う旅行
(2) 旅行あっせんを行う者等が行う団体旅行に応募してする旅行
(3) 同業者団体その他これに準ずる団体が主催して行う団体旅行で主として観光目的と認められるもの

個人事業主(自営業)の場合
個人事業主本人

個人事業主本人の場合、法上、海外出張は事業の遂行上直接必要であると認められる場合に限り、交通機関の利用、宿泊等の費用(家事上の経費に属するものを除く。)に充てられたと認められる部分の額を必要経費に算入するものとされている。

したがって、会計上は、必要経費に算入できる額については旅費交通費勘定などを用いて費用処理をする。

なお、それ以外の額については、個人事業主本人については給与を観念できないので、費用処理できない。

また、海外出張が事業の遂行上直接必要なものであるかどうかの判定基準は会社・法人の場合と同じである。

所得基本通達
事業を営む者等の海外渡航費)
37-16 事業を営む者が自己の海外渡航に際して支出する費用は、その海外渡航が当該事業の遂行上直接必要であると認められる場合に限り、その海外渡航のための交通機関の利用、宿泊等の費用(家事上の経費に属するものを除く。)に充てられたと認められる部分の額を必要経費に算入するものとする。 なお、事業を営む者と生計を一にする親族で法第57条第1項又は第3項《事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等》の規定の適用を受けないものの海外渡航のために事業を営む者が支出した費用又は支給した旅費についても、これに準ずる。

使用人

使用人の場合、法上、海外出張は事業の遂行上直接必要であり、かつ、その出張のため通常必要と認められる部分の額に限り、旅費として必要経費に算入するものとされている。

そして、それ以外の額については、原則として、当該使用人に対する給与等として必要経費に算入される。

したがって、会計上は、旅費として扱われる場合は旅費交通費勘定給与として扱われる場合は給料手当勘定などを用いて費用処理をする。

なお、海外出張が事業の遂行上直接必要なものであるかどうかの判定基準は会社・法人の場合と同じである。

所得基本通達
(使用人に支給する海外渡航旅費
37-17 事業を営む者がその使用人(事業を営む者と生計を一にする親族で法第57条第1項又は第3項の規定の適用を受けるものを含む。)の海外渡航に際し支給する旅費(支度を含む。以下37-22までにおいて同じ。)は、その海外渡航が事業を営む者の当該事業の遂行上直接必要であり、かつ、当該渡航のため通常必要と認められる部分の額に限り、旅費として必要経費に算入する。
(注) 事業の遂行上直接必要と認められない海外渡航の旅費の額及び当該事業の遂行上直接必要であると認められる海外渡航の旅費の額のうち通常必要と認められる額を超える部分の額は、その支給を受ける者に対して支給した給与等又は役務報酬として必要経費に算入される。ただし、事業専従者に対して支給した給与とされるものの必要経費算入については、法第57条第1項又は第3項の規定の適用がある。

取引の具体例と仕訳の仕方

取引

従業員の海外出張にために航空券代と海外滞在費として30万円を支給した。

仕訳

借方科目
貸方科目
旅費交通費 300,000 現金 300,000

海外出張費の務・法・制上の取り扱い

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

不課税取引課税対象外)

海外出張の旅費宿泊費日当などは国外取引として不課(対象外)である。

消費税法基本通達
出張旅費宿泊費日当等)
11-2-1 役員又は使用人(以下「使用人等」という。)が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合又は就職若しくは退職をした者若しくは死亡による退職をした者の遺族(以下11-2-1において「退職者等」という。)がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、事業者がその使用人等又はその退職者等に支給する出張旅費宿泊費日当等のうち、その旅行について通常必要であると認められる部分の額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するものとして取り扱う。
(注)
1 「その旅行について通常必要であると認められる部分の額」の範囲については、所基通9-3《非課とされる旅費の範囲》の例により判定する。
2 海外出張のために支給する旅費宿泊費及び日当等は、原則として課税仕入れに係る支払対価に該当しない。



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