夏季手当(夏期手当)
(" 賞与 "から複製)
賞与とは
賞与の定義・意味など
賞与(しょうよ)とは、ボーナス、一時金、報奨金、夏期手当(夏季手当)・冬期手当(冬季手当)・年末手当・期末手当等名称のいかんを問わず、役員と従業員に対して定期の給与とは別に支払われる臨時の給与(退職給与以外)を処理する費用勘定をいう。
所得税基本通達
(賞与の意義)
183-1の2 所得税法第183条第2項に規定する賞与とは、定期の給与とは別に支払われる給与等で、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるものその他これらに類するものをいう。…
法人・個人の別
法人・個人
賞与の分類・種類
賞与は次のような種類に分類できる。
賞与の範囲・具体例
賞与の性質を有するかどうか明らかでない場合、次のようなものは賞与に該当するものとされる。
所得税基本通達
(賞与の意義)
183-1の2 …。なお、給与等が賞与の性質を有するかどうか明らかでない場合には、次に掲げるようなものは賞与に該当するものとする。
イ 純益を基準として支給されるもの
ロ あらかじめ支給額又は支給基準の定めのないもの
ハ あらかじめ支給期の定めのないもの。ただし、雇用契約そのものが臨時である場合のものを除く。
(注) 次に掲げる給与については、賞与に該当することに留意する。
1 法人税法第34条第1項第2号《事前確定届出給与》に規定する給与(他に定期の給与を受けていない者に対して継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づき支給されるものを除く。)
2 法人税法第34条第1項第3号に規定する利益連動給与
他の勘定科目との関係
給料手当
従業員に対する賞与は、給料手当勘定に含めて処理する場合もある。
役員賞与
役員に対する賞与は、特に役員賞与という勘定科目を使用する場合もある。
賞与の科目属性
費用
したがって、本来は利益の処分としての性格が強い。
しかし、従業員に支給する賞与は、現実には利益の処分というよりは、役務・労働に対する対価の後払いとしての性格も強い。
よって、会計上は費用として取り扱い、税務上も必要経費・損金として取り扱われる。
また、役員に対する賞与についても、後述のように、一定の条件等はあるものの、必要経費算入・損金算入が可能となった。
賞与の目的・役割・意義・機能・作用など
節税対策・節税方法としての賞与
役員報酬と役員退職金が人件費を利用した節税対策の代表例である。
しかし、従業員に家族が多い同族会社にあっては、従業員の賞与も節税対策・節税方法のひとつとして利用できる。
すなわち、会社に予想以上の利益が出た事業年度には、従業員に臨時のボーナスを支給する(=決算賞与)という方法である。
ただし、決算賞与として利益を経費に計上するには所定の要件があるので、注意。
賞与に関する会計基準と制度会計
制度会計
会社法
会社法では、利益処分案が廃止され、従来の役員賞与が報酬として取り扱われることとなり(「取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益」)、定款に定めがない限り、株主総会決議によって定めることとなった(会社法361条)。
法人税法
改正法人税法でも、従来損金算入ができなかった利益処分の役員賞与が、利益操作でないことを条件に「所定の時期に支給する確定額給与」として損金算入が可能になった。
ただし、損金算入するためには、事前届出制が設けられており、届出書類として「事前確定届出給与に関する届出書」の提出が必要となる。
なお、事前届出書類は、定時株主総会日までに税務署に提出する。
会計基準
役員賞与に関する会計基準
会社法にあわせ、企業会計基準委員会より「役員賞与に関する会計基準」が公表され、役員賞与は、2006年5月以後に決算を迎える法人から、発生した期間の費用として処理することとなった。
つまり、役員賞与の費用化が可能になったということである。
賞与の決算等における位置づけ等
賞与の財務諸表における区分表示と表示科目
損益計算書 > 経常損益の部 > 営業損益の部 > 販売費及び一般管理費 > 賞与
区分表示
販売費及び一般管理費
賞与は販売費及び一般管理費に属するものとして表示する。
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(販売費及び一般管理費の範囲)
第八十四条 会社の販売及び一般管理業務に関して発生したすべての費用は、販売費及び一般管理費に属するものとする。
金融庁総務企画局 『「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(財務諸表等規則ガイドライン)』
84 規則第84条に規定する販売費及び一般管理費に属する費用とは、会社の販売及び一般管理業務に関して発生した費用例えば販売手数料、荷造費、運搬費、広告宣伝費、見本費、 保管費、納入試験費、販売及び一般管理業務に従事する役員、従業員の給料、賃金、手当、 賞与、福利厚生費並びに販売及び一般管理部門関係の交際費、旅費、交通費、通信費、光熱費及び消耗品費、租税公課、減価償却費、修繕費、保険料、不動産賃借料及びのれんの償却額をいう。
賞与の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
前述したように、賞与を支払ったときは、賞与勘定の借方に記帳して費用計上する。
なお、賞与についても給与と同様に源泉所得税と社会保険料などを控除する必要がある。
役員賞与に関する会計基準(企業会計基準第4号)
会計処理
3. 役員賞与は、発生した会計期間の費用として処理する。
取引の具体例と仕訳の仕方
一般
賞与 | ✕✕✕✕ | 普通預金 | ✕✕✕✕ |
預り金(源泉所得税) | ✕✕✕✕ | ||
預り金(社会保険料) | ✕✕✕✕ |
賞与引当金を設定している場合
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
賞与引当金 |
60万
|
現金 |
100万
|
賞与 |
40万
|
役員賞与の場合
株主総会決議時
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
役員賞与引当金繰入 |
✕✕✕✕
|
役員賞与引当金 |
✕✕✕✕
|
支給時
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
役員賞与引当金 |
✕✕✕✕
|
普通預金 |
✕✕✕✕
|
賞与の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
不課税取引(課税対象外)
消費税法上、賞与は不課税取引として消費税の課税対象外である。
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 28 ページ]
- 絵画
- 海外出張費(海外渡航費)
- 買い換え
- 買掛金
- 外貨預金
- 会議室
- 開業準備費用(開業資金)
- 介護保険料
- 介護保険料(第1号被保険者)(65歳以上)
- 介護保険料(第2号被保険者)(40歳以上65歳未満)
- 解雇予告手当
- 海事代理士報酬(海事代理士手数料・海事代理士費用)
- 会社設立
- 会社設立時の登記費用(設立登記の登録免許税など)
- 改修工事
- 回数券
- 解体費用(取壊費用)
- 外注
- 会費
- 外壁塗装(壁の塗装・壁の塗り替え)
- 解約返戻金(解約金)(生命保険)
- 鍵
- 書合手形
- 夏季手当(夏期手当)
- 書留
- 家具
- 学資補助
- 加工費(加工賃)
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ
- ホーム
- 逆引き(取引・事例・摘要・項目別の仕訳)
- あ行―あ
- あ行―い
- あ行―う
- あ行―え
- あ行―お
- か行―か(かあーかこ)
- か行―か(かさーかと)
- か行―か(かなーかん)
- か行―き
- か行―く
- か行―け(けあーけと)
- か行―け(けなーけん)
- か行―こ(こう)
- か行―こ(こかーこて)
- か行―こ(こはーこも)
- か行―こ(こらーこん)
- さ行―さ
- さ行―し(しあ-しき)
- さ行―し(じこ)
- さ行―し(しさ-しと)
- さ行―し(しな-しも)
- さ行―し(しゃ)
- さ行―し(しゅ)
- さ行―し(しよう)
- さ行―し(しょかーしょん)
- さ行―し(しん)
- さ行―す
- さ行―せ(せい)
- さ行―せ(せきーせん)
- さ行―そ
- た行―た
- た行―ち
- た行―つ
- た行―て(てあーてお)
- た行―て(てかーてん)
- た行―と
- な行
- は行―は
- は行―ひ
- は行―ふ(ふあーふそ)
- は行―ふ(ふた―ふん)
- は行―へ
- は行―ほ
- ま行
- や行―や
- や行―ゆ
- や行―よ
- ら行(ら・り)
- ら行(れ・ろ)
- わ行
- 英字
- 逆引き(取引・事例・摘要・項目別の仕訳)