会費
会費とは
会費の定義・意味など
会費(かいひ)とは、会を開設・維持・運営するために、会員が負担する金。また、会合に要する費用で、出席者が負担するもの
をいう。
岩波書店 『広辞苑 第六版』
会費の位置づけ・体系(上位概念等)
公課
会費は公課のひとつである。
公課には会費も含めて次のようなものがある。
会費の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
会費については、負担金やその会の性格等により、会計処理の方法・使用する勘定科目が異なる。
費用計上する場合
会費は、原則として、諸会費または租税公課※勘定の借方に記帳して費用計上する。
※国税庁の『青色申告の決算の手引き』では、租税公課勘定で処理するものとして、商工会議所、商工会、協同組合、同業者組合、商店会などの会費、組合費又は賦課金
があげられている。
なお、諸会費等で処理をする会費としては、たとえば、次のようなものがある。
(交際費)
会社業務とは直接関係がなく、社交的要素が高く入会者相互の親睦を目的としているものは、税務上交際費とみなされる。
たとえば、ライオンズクラブやロータリークラブなどの会費は交際費に該当する。
(福利厚生費)
従業員用のスポーツクラブの会費など福利厚生費で処理をしたほうが適切といえるような場合もある。
会社として加入していても、特定の役員や従業員の個人的な親睦を目的としているものは、税務上その役員・従業員への役員報酬・給与とみなされる場合もある。
資産計上する場合
商店街等の負担金であっても、たとえば、アーケードやすずらん灯、会館などの協同的施設の負担金のようなものは繰延資産で処理をして、資産計上をする。
繰延資産に該当する場合は、本年分の期間に対応する減価償却費が経費となる。
取引の具体例と仕訳の仕方
諸会費(または租税公課) | ✕✕✕✕ | 現金 | ✕✕✕✕ |
会費の税務・税法・税制上の取り扱い
必要経費算入(所得税法)・損金算入(法人税法)の可否
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
会費・組合費・賦課金などが消費税の課税対象になるかどうかは、その団体から受ける役務の提供などと支払う会費などとの間に明らかな対価関係・対価性があるかどうかによって判定する。
原則
不課税取引(課税対象外)
団体の業務運営に必要な通常の会費などについては、一般的には対価関係がないといえるので、不課税取引として消費税の課税対象外となる。
ただし、対価関係の判定が困難な場合は、継続して、同業者団体、組合等が資産の譲渡等の対価に該当しないものとし、かつ、その会費等を支払う事業者側がその支払を課税仕入れに該当しないこととしているときにも、消費税の課税対象外として認められる。
消費税法基本通達
(会費、組合費等)
5-5-3 同業者団体、組合等がその構成員から受ける会費、組合費等については、当該同業者団体、組合等がその構成員に対して行う役務の提供等との間に明白な対価関係があるかどうかによって資産の譲渡等の対価であるかどうかを判定するのであるが、その判定が困難なものについて、継続して、同業者団体、組合等が資産の譲渡等の対価に該当しないものとし、かつ、その会費等を支払う事業者側がその支払を課税仕入れに該当しないこととしている場合には、これを認める。
(注)
1 同業者団体、組合等がその団体としての通常の業務運営のために経常的に要する費用をその構成員に分担させ、その団体の存立を図るというようないわゆる通常会費については、資産の譲渡等の対価に該当しないものとして取り扱って差し支えない。
2 名目が会費等とされている場合であっても、それが実質的に出版物の購読料、映画・演劇等の入場料、職員研修の受講料又は施設の利用料等と認められるときは、その会費等は、資産の譲渡等の対価に該当する。
3 資産の譲渡等の対価に該当するかどうかの判定が困難な会費、組合費等について、この通達を適用して資産の譲渡等の対価に該当しないものとする場合には、同業者団体、組合等は、その旨をその構成員に通知するものとする。
例外
課税取引
たとえば、団体が主催した講演会・セミナーなどの会費は講義や講演の役務の提供などの対価なので課税取引として消費税の課税対象となる(仕入税額控除の対象となる)。
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