新株式申込証拠金 - [経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


新株式申込証拠金


(" 新株式申込証拠金(株式申込証拠金・新株式払込金) "から複製)

新株式申込証拠金とは

新株式申込証拠金の定義・意味など

新株式申込証拠金(しんかぶしきもうしこみしょうこきん)とは、新株の発行増資)の際、資本金としての効力が発生する払込期日の前日までに株式の申込者から払い込まれた払込と同額の申込証拠手付金)を処理するための資本勘定をいう。

新株式申込証拠金の別名・別称・通称など

株式申込証拠金新株式払込金

新株式申込証拠金株式申込証拠金または新株式払込金などとも表記される。

法人・個人の別

法人

新株式申込証拠金は法人特有の勘定科目である。

新株式申込証拠金の目的・役割・意義・機能・作用など

会社設立時の株式の発行であっても、会社設立後の新株の発行増資)であっても、株式を発行した場合の会計処理は基本的に同じである。

ただし、新株の発行を実際に行うには、まず株主株式の引受人)を募集する必要があるが、多くの会社では申込期日または申込期間を設け、株式の申込者に対して払込と同額の申込証拠手付金)を申込期日または申込期間内に払い込むことを求めるのが慣習となっている。

そして、その後、会社株式の割当てを行い、これにより申込者は引受人となるが、会社法により、引受人は払込期日(または払込期間を定めた場合は出資の履行をした日)に株主となるとされている。

株式の申込者 → (申込証拠)→(株式の割当て)→ 株式の引受人 → (払込期日等)→ 株主

会社
株主となる時期等)
第二百九条  募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式株主となる。
 第百九十九条第一項第四号の期日を定めた場合 当該期日
 第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合 出資の履行をした日

したがって、払込(申込証拠)は、払込期日等の前日までは、法的にはまだ会社法が定める法定資本の性格を有していない。

そこで、資本金としての効力が発生する前の払込を処理するために、新株式申込証拠金(または株式申込証拠金新株式払込金勘定負債または資本)を用いる。

資本金勘定会社法が定める法定資本を処理するための勘定科目である。

新株式申込証拠金科目属性

負債資本

新株式申込証拠金は、申込期日までは、負債預り金)としての性格を有するが、申込期日を過ぎると、資本としての性格を有する。

新株式申込証拠金決算等における位置づけ等

新株式申込証拠金財務諸表における区分表示表示科目

貸借対照表純資産の部 > 株主資本新株式申込証拠金

区分表示
株主資本

貸借対照表上、新株式申込証拠金株主資本の一部を構成する。

企業会計原則
(貸借対照表科目の分類)
四 資産負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。

(三)資 本

C 新株式払込金又は申込期日経過後における新株式申込証拠金は、資本金の区分の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。

貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」によれば、株主資本は次のような項目から構成されている。

  1. 資本金
  2. 新株式申込証拠金
  3. 資本剰余金
    1. 資本準備金
    2. その他資本剰余金
  4. 利益剰余金
    1. 利益準備金
    2. その他利益剰余金
  5. 自己株式
  6. 自己株式申込証拠金

新株式申込証拠金会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
株式の申込期日または申込期間の翌日

新株式申込証拠金株式申込証拠金新株式払込金)・別段預金

申込期日または申込期間の翌日に、株式の申込者が払い込んだ額を新株式申込証拠金勘定貸方に記帳するとともに別段預金勘定借方に記帳する。

この場合、別段預金勘定を使用するのは、払込は通常の預金とは異なり、会社が自由に使えるお金ではないからである。なお、別段預金とは通常の銀行預金とは異なり、会社が任意に引き出す等できない銀行預金をいう。

払込期日

資本金

払込期日等に引受人は株主となる(つまり、払込資本金となる)ので、新株式申込証拠金勘定から資本金勘定振り替え資本金に計上するとともに、別段預金普通預金勘定などへ振り替える。

つまり、払込期日等になると払込は有効な資本金となるので、資本金に計上するとともに、普通預金へと振り替えられて会社が自由に引き出せるようになるということである。

ただし、新株の発行増資)の場合にも、会社設立時の株式の発行の場合と同じく、払込の1/2を超えない額は資本金として計上しないことができる。

したがって、払込の一部を資本金に計上しない場合は資本金勘定株式払込剰余金(または資本準備金勘定振り替えることになる。

資本金の計上の詳細については次のページなどを参照。

資本―株式の発行

取引の具体例と仕訳の仕方

株式の申込期日または申込期間の翌日

取引

増資にあたり、株式の申込期日の翌日に銀行から申込証拠入金連絡があった。

仕訳

借方科目
貸方科目
別段預金 ×××× 新株式申込証拠金 ××××

払込期日または払込期間を定めた場合は出資の履行をした日

取引

払込期日に別段預金普通預金振り替えた。なお、払込の一部は資本金に計上しない。

仕訳

借方科目
貸方科目
新株式申込証拠金 ×××× 資本金 ××××
株式払込剰余金 ××××
普通預金 ×××× 別段預金 ××××

新株式申込証拠金務・法・制上の取り扱い

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

不課税取引課税対象外)

消費税法上、新株式申込証拠金不課税取引として消費税の課税対象外である。



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