預り金―内容別―税金預り金―住民税預り金
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住民税預り金とは
住民税預り金の定義・意味など
住民税預り金(じゅうみんぜいあずかりきん)とは、預り金のうち、住民税の特別徴収のため、役員・従業員の給与から控除した個人住民税(道府県民税と市町村民税)を処理する負債勘定をいう。
住民税預り金の科目属性
負債
控除した金銭は後日市区町村に納付しなければならない債務なので、住民税預り金は負債勘定である。
法人・個人の別
法人・個人
住民税預り金の範囲・具体例
住民税預り金で処理するものは、以下のとおり。
住民税預り金の目的・役割・意義・機能・作用など
住民税には、次の2つの徴収方法がある。
従業員・役員が特別徴収の方法を選択した場合には、住民税は、所得税や社会保険料と同様に給与から源泉徴収(天引き)され、会社がまとめて市区町村に納付することになる。
なお、天引きした住民税は、源泉所得税と同様、給与などを支給した翌月の10日までに、市区町村に納付しなければならない。
住民税預り金の位置づけ・体系(上位概念等)
預り金
一時的に預かった金銭を処理する一般的な勘定科目としては預り金勘定がある。
ただし、預り金勘定は、外部の取引先に対するものと内部の役員・従業員に対するものとを区別するため、役員・従業員に対するものについては、役員預り金・従業員預り金勘定などを用いることがある。
また、さらに内容を明確にするため、所得税預り金勘定・住民税預り金勘定(または所得税預り金と住民税預り金とを合わせて税金預り金勘定)・社会保険料預り金勘定などを用いることもある。
参考:『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、134項。
住民税預り金の決算等における位置づけ等
住民税預り金の財務諸表における区分表示と表示科目
区分表示
流動負債
一般に預り金は、ワン・イヤー・ルールが適用され、そのほとんどが流動負債として取り扱われる。
企業会計原則注解
〔注16〕流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について
…
貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとし、…。
表示科目
住民税預り金
住民税預り金は預り金勘定のひとつであるが、他の預り金と異なり、会社内部の取引であるため、財務諸表等規則では、他の預り金と区別して表示することが求められている。
しかし、実務上は独立科目とはせずに、他の少額な流動負債とあわせてその他の流動負債として表示することも多い。
ただし、役員または従業員からの預り金の金額が負債と純資産の合計額の5%を超えるものについては、その内容を示す名称を付した科目をもつて別に掲記しなければならないとしている。
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(流動負債の区分表示)
第四十九条 流動負債に属する負債は、次に掲げる項目の区分に従い、当該負債を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。…
…
十 預り金。ただし、株主、役員又は従業員からの預り金を除く。
…
十四 その他
…
第五十条 前条第一項第十四号に掲げる項目に属する負債のうち、株主、役員若しくは従業員からの短期借入金等の短期債務又はその他の負債で、その金額が負債及び純資産の合計額の百分の五を超えるものについては、当該負債を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。
住民税預り金の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
一般に従業員の給与は、その全額ではなく、源泉所得税・住民税・社会保険料を控除した額を支払う。
そこで、従業員に給与を支払った場合の会計処理としては、まず、給与の全額を給料手当勘定などの借方に記帳して費用計上する。
そして、他方、控除した住民税額などを住民税預り金勘定などの貸方に記帳するとともに、従業員に実際に支払った額を現金預金勘定の貸方に記帳する。
取引の具体例と仕訳の仕方
従業員に支払う給与から源泉徴収等したとき
給与を源泉所得税・住民税・社会保険料を控除して銀行振込で支払った。
給料手当 | ✕✕✕✕ | 所得税預り金 | ✕✕✕✕ |
住民税預り金 | ✕✕✕✕ | ||
社会保険料預り金 | ✕✕✕✕ | ||
普通預金 | ✕✕✕✕ |
住民税預り金の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
不課税取引(課税対象外)
消費税法上、住民税預り金は不課税取引として消費税の課税対象外である。
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