割引義務見返/割引義務(手形割引義務見返/手形割引義務)
割引義務見返/割引義務とは
割引義務見返/割引義務の定義・意味など
割引義務見返(わりびきぎむみかえり)/割引義務(わりびきぎむ)とは、手形の割引をした場合に発生する偶発債務を対照勘定法により備忘記録するための一対の対照勘定をいう。
割引義務見返/割引義務の別名・別称・通称など
手形割引義務見返/手形割引義務
割引義務見返/割引義務は手形割引義務見返(てがたわりびきぎむみかえり)/手形割引義務(てがたわりびきぎむ)ともいう。
割引義務見返/割引義務の目的・役割・意義・機能・作用など
偶発債務の備忘記録
対照勘定法と評価勘定法
手形割引をした手形が不渡りとなった場合には、手形所持人に対して、手形代金を支払わなければならないという債務(遡求義務という)が発生する。
この債務(保証債務という)は時価で評価し、その時価相当額を保証債務費用勘定(費用)と保証債務勘定(負債)を用いて費用と負債に計上する(不渡りとなる危険性のない優良手形はその必要はない)。
そして、こうして時価評価した保証債務とは別に、さらに、帳簿上、手形割引に係る偶発債務の額を備忘記録することもできる。
この備忘記録の会計処理の方法には、対照勘定法と評価勘定法の2つの方法があるが、このうち対照勘定法で用いられる勘定が、割引義務見返勘定と割引義務勘定という一対の対照勘定である。
なお、割引義務見返勘定は償還義務が生じた場合に手形振出人に遡求する権利(偶発債権)を、そして、割引義務勘定は偶発債務を表している。
割引義務見返/割引義務の位置づけ・体系(上位概念等)
手形
しかし、簿記上では手形はこの法律上の分類にかかわらず、通常の営業取引から生じた手形債権と手形債務については、受取手形と支払手形という2つの勘定科目で処理をする。
ただし、通常の営業以外の取引から生じたもの、裏書譲渡・手形割引などの特定の手形行為、手形の不渡りなどについては特別な勘定科目を使用する場合もある。
割引義務見返/割引義務の決算等における位置づけ等
財務諸表の注記
割引義務見返/割引義務は単なる備忘記録であり、貸借対照表上では相殺され表示されないが、貸借対照表に、「注記」という形で、偶発債務があることを記載する必要がある。
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(偶発債務の注記)
第五十八条 偶発債務(債務の保証(債務の保証と同様の効果を有するものを含む。)、係争事件に係る賠償義務その他現実に発生していない債務で、将来において事業の負担となる可能性のあるものをいう。)がある場合には、その内容及び金額を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
割引義務見返/割引義務の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
手形の割引をした場合、その偶発債務を対照勘定法により備忘記録を行うときは、本対照勘定で処理をする。
そして、後日、割引きをした手形が満期日に無事決済された場合には、手形割引時の逆仕訳をして偶発債務を消去する。
取引の具体例と仕訳の仕方
手形の割引をしたとき
他店が振り出した約束手形100万円を取引銀行で割り引いた。その際、割引料等2万円を差し引かれ、残額は当座預金とした。なお、割引時における保証債務の時価は、手形額面金額の1%と評価された。
当座預金 | 980,000 | 受取手形 | 1,000,000 |
手形売却損 | 20,000 | ||
保証債務費用 | 10,000 | 保証債務 | 10,000 |
割引義務見返 | 1,000,000 | 割引義務 | 1,000,000 |
手形割引をした手形が無事決済されたとき
保証債務 | 10,000 | 保証債務取崩益 | 10,000 |
割引義務 | 1,000,000 | 割引義務見返 | 1,000,000 |
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