社債―発行
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社債の発行の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
社債を発行したときは、社債と社債発行費について会計処理を行う。
①社債
旧商法では社債は額面金額(社債金額)で貸借対照表に計上しなければならないとされていたが、会社法では時価または適正な価格で計上することができるとされた。
これにより、社債発行の会計処理(社債発行差金の計上など)が従来とは異なることになった。
会社計算規則
(負債の評価)
第六条 …
2 次に掲げる負債については、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。
…
二 払込みを受けた金額が債務額と異なる社債
…
すなわち、社債を発行したときは、発行価額を社債勘定(負債)の貸方に記帳して負債に計上する。
なお、従来、社債の額面金額と発行金額に差額がある場合は、社債発行差金勘定を用いて繰延資産等に計上していたが、この会計処理は不要となった。
代わりに、当該差額(社債発行差金に相当する額)については、会社法を受けた「金融商品に係る会計基準」(企業会計基準第10号)では、期末(決算時)に償却原価法にもとづいて算定された価額を毎期計上していくものとしている。
具体的には、貸借対照表上、社債発行差金に相当する額を社債金額から直接控除することになる(→社債の評価替え)。
企業会計基準第10号 金融商品に係る会計基準
5.金銭債務
26. 支払手形、買掛金、借入金、社債その他の債務は、債務額をもって貸借対照表価額とする。 ただし、社債を社債金額よりも低い価額又は高い価額で発行した場合など、収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、償却原価法に基づいて算定された価額をもって、貸借対照表価額としなければならない。
②社債発行費
また、広告費・手数料・印刷費・登録免許税など社債発行に要した諸費用については、「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」(実務対応報告第19号)により、原則として、支出時に社債発行費勘定(費用)を用いて費用計上したうえ、営業外費用として処理する。
ただし、同じく社債発行費勘定(資産)を用いて繰延資産に計上することもできる。
実務対応報告第19号 繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い
(2) 社債発行費等の会計処理
社債発行費は、原則として、支出時に費用(営業外費用)として処理する。ただし、社債発行費を繰延資産に計上することができる。
取引の具体例と仕訳の仕方
社債(額面総額1000万円)を900万円で割引発行した。なお、社債発行に要した諸費用は30万円であった。
当座預金 | 900万 | 社債 | 900万 |
社債発行費 | 30万 | 普通預金 | 30万 |
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