賞与引当金
賞与引当金とは
賞与引当金の定義・意味・意義
賞与引当金とは、引当金の一種として、会社が従業員等に翌期に支払う賞与に備えて、見積り計上するための勘定科目をいう。
賞与引当金の趣旨・目的・機能
一般的に賞与は夏期と冬期の2回支給され、その計算期間は支給の直前の6カ月程度となる。
したがって、決算日時点で、当期に帰属する賞与の未払部分が存在することとなる。
しかし、この未払賞与は、支給額は確定しておらず、かつ、支払期日も到来していないので、確定債務ではない。
そこで、この未払賞与について、金額が確定しているか、それに準ずるものと認められる場合に限り、その合理的な見積額を賞与引当金として計上することとなる。
賞与引当金の制定過程・経緯・沿革・歴史など
法人税法
1998年改正
法人税法では、1998年改正で、賞与引当金は廃止された。
そのため、賞与引当金の繰り入れは、財務会計上の処理となり、税法上は費用としては認められない。
賞与引当金の科目属性
賞与引当金の財務諸表における区分表示と表示科目
区分表示と表示科目
「引当金のうち、賞与引当金、工事補償引当金、修繕引当金のように、通常一年以内に使用される見込のものは流動負債に属するものとする」(企業会計原則)
賞与引当金勘定の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計経理処理方法・簿記の記帳の仕方・使用する勘定科目等
月末にその月分の賞与見積額を計上する場合
翌期賞与の当期負担部分を当期の費用として期間損益計算に含めるために、賞与引当金を設定し、負債として計上する。
そして、賞与引当金の費用計上をする勘定科目としては、賞与引当金繰入などを使用する。
従来、賞与引当金繰入額の計算は、通常、法人税法の定める賞与引当金繰入額の損金限度額の計算を利用していた。
しかし、1998年の税法改正で、賞与引当金は廃止されたことから、支給見込額を基準として賞与引当金繰入額・賞与引当金を設定することとなったt。
賞与を支給する場合
賞与を支給する場合は、賞与引当金を取り崩し、賞与引当金と賞与の実際支給額との差額を賞与勘定で処理をする。
賞与引当金勘定に関する取引・仕訳の具体例・事例
月末にその月分の賞与見積額を計上する場合
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
賞与引当金繰入 |
××××
|
賞与引当金 |
××××
|
賞与引当金全額を取り崩し、賞与を支給する場合
支払い賞与の額が賞与引当金の額より大きい場合
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
賞与引当金 | ×××× | 現金預金 |
××××
|
賞与 |
××××
|
預かり金 |
××××
|
支払い賞与の額が賞与引当金の額より小さい場合
支払賞与の額が賞与引当金の額より小さい場合、その差額を賞与引当金戻入益や前期損益修正益などの勘定科目を用いて、特別利益に計上する。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
賞与引当金 | ×××× | 現金預金 | ×××× |
預かり金 | ×××× | ||
賞与引当金戻入益 | ×××× |
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