［経済］簿記勘定科目一覧表（用語集）

未払社債利息

未払社債利息とは

未払社債利息の定義・意味など

未払社債利息（みばらいしゃさいりそく）とは、決算時に社債利息の見越計上額を処理する費用勘定をいう。

法人・個人の別

法人

未払社債利息は法人特有の勘定科目である。

未払社債利息の位置づけ・体系（上位概念等）

未払費用

未払社債利息は未払費用のひとつとして決算時に費用の見越が必要になる。

なお、未払費用には未払社債利息も含めて次のようなものがある。

• 未払地代家賃（未払家賃・未払地代）
• 未払保険料
• 未払利息
• 未払給料・未払賃金
• 未払水道光熱費
• 未払賃借料
• 未払リース料
• 未払社債利息

未払社債利息の目的・役割・意義・機能・作用など

社債利息の見越計上

社債は、借入金と同様に負債である。

よって、社債の発行者は社債権者に対して利息を支払う必要がある。

しかし、社債の利払日と決算日とが異なる場合、前回の利払日の翌日から決算日までの期間に対応する社債利息は、当期の利息として発生しているので、当期の費用として計上すべきであるが、支払いは次期以降となる。

そこで、費用収益対応の原則から、社債利息の見越計上を行うことが必要となる。

この社債利息の見越計上で用いられる勘定科目が未払社債利息である。

未払社債利息の決算等における位置づけ等

未払社債利息の財務諸表における区分表示と表示科目

貸借対照表 ＞ 負債 ＞ 流動負債 ＞ 未払費用

区分表示

流動負債

未払社債利息は未払費用として1年基準（ワン・イヤー・ルール）の適用を受け、流動負債に属するものとして表示する。

企業会計原則注解
[注１６]　流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について
…、未払費用…は、流動負債に属するものとする。

会社計算規則
（負債の部の区分）
第七十五条 　…
２ 　次の各号に掲げる負債は、当該各号に定めるものに属するものとする。
一 　次に掲げる負債　流動負債
…
ヘ　未払費用

表示科目

未払費用

未払費用に属する仕訳上の勘定科目（未払社債利息。その他未払地代家賃・未払保険料・未払利息など）はこれをそのまま貸借対照表の表示科目として用いるのではなく、未払費用としてまとめて表示する。

これは外部へ報告するにはそのほうがわかりやすいからである。

このように仕訳上の勘定科目と貸借対照表上の表示科目とが異なるので注意。

未払社債利息の会計・簿記・経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等

期末（決算時）

決算整理仕訳

決算時に、当期に計上すべき社債利息を次期以降に支払うことを見越して当期の費用に計上するときは、社債利息の見越計上額を社債利息勘定（費用）の借方に記帳して費用計上するとともに、未払社債利息勘定（負債）の貸方に記帳して負債計上する。

翌期首

再振替仕訳

決算時に社債利息の見越計上を行った場合は、翌期首に、負債として見越されていた金額を費用から控除するため、再振替仕訳（決算整理仕訳の反対仕訳）を行う。

取引の具体例と仕訳の仕方

期末（決算時）

決算整理仕訳

決算にあたり、社債利息の見越計上を行った。

借方科目	金額	貸方科目	金額
社債利息	✕✕✕✕	未払社債利息	✕✕✕✕

翌期首

再振替仕訳

翌期首において再振替仕訳を行った。

借方科目	金額	貸方科目	金額
未払社債利息	✕✕✕✕	社債利息	✕✕✕✕

未払社債利息の税務・税法・税制上の取り扱い

消費税の課税・非課税・免税・不課税（対象外）の区分

不課税取引（課税対象外）

消費税法上、未払社債利息は不課税取引として消費税の課税対象外である。