諸会費
諸会費とは 【membership fee】
諸会費の定義・意味など
諸会費(しょかいひ)とは、会社の業務に関連して加入している様々な団体に支払う会費(年会費など)・組合費・賦課金等を処理する費用勘定をいう。
諸会費の範囲・具体例
諸会費として処理をする会費としては、たとえば次のようなものがある。
政治家・政党の後援会の会費
会費という名目であっても支出する側に任意性があり、直接の対価性が認められない会費(たとえば、不特定多数の者に対して無償で配布される機関紙等を会員が受け取っている程度)は寄付金勘定で処理をするが、任意性がなく債務の履行として支払う=会員たる地位にあるものが会を成り立たせるために負担すべきものであって寄付金と異なり対価性を有するのであれば諸会費勘定で処理をする。
No.1154 政治献金と寄附金|所得税|国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1154_qa.htm
参考:Q&A - 日本税制研究所 http://www.zeiseiken.or.jp/faq/kouekihoujin/kouekihoujin_a006.html
他の勘定科目との関係
租税公課
※国税庁の『青色申告の決算の手引き』では、租税公課勘定で処理するものとして、商工会議所、商工会、協同組合、同業者組合、商店会などの会費、組合費又は賦課金
があげられている。
その他勘定科目との区別・区分
諸会費は、実務上、給与、福利厚生費、交際費、広告宣伝費との区別が問題となる。
特に、税法上、給与、交際費として取り扱われる場合があるので注意を要する。
諸会費と給与との区別・区分
会社として加入していても、特定の役員や従業員の個人的な親睦を目的としているものは、税務上その役員・従業員への役員報酬・給与とみなされる。
諸会費と福利厚生費との区別・区分
たとえば、役員・従業員用のスポーツクラブの会費は福利厚生費で処理をする。
諸会費と交際費との区別・区分
会社の業務に関係するものは、諸会費として税務上損金となるが、業務とは直接関係がなく、社交的要素が高く入会者相互の親睦を目的としているものは、税務上交際費として取り扱われる。
たとえば、ロータリークラブやライオンズクラブなど社交的要素の強い年会費は税法上交際費となる。
諸会費の決算等における位置づけ等
諸会費の財務諸表における区分表示と表示科目
損益計算書 > 経常損益の部 > 営業損益の部 > 販売費及び一般管理費 > 諸会費
諸会費の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
会費・組合費・賦課金等を支払ったときは、諸会費勘定の借方に記帳して費用計上する。
取引の具体例と仕訳の仕方
諸会費(または租税公課) | ✕✕✕✕ | 現金 | ✕✕✕✕ |
諸会費の税務・税法・税制上の取り扱い
必要経費算入(所得税法)・損金算入(法人税法)の可否
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
会費・組合費・賦課金などが消費税の課税対象になるかどうかは、その団体から受ける役務の提供などと支払う会費などとの間に明らかな対価関係・対価性があるかどうかによって判定する。
原則
不課税取引(課税対象外)
団体の業務運営に必要な通常の会費などについては、一般的には対価関係がないといえるので、不課税取引として消費税の課税対象外となる。
ただし、対価関係の判定が困難な場合は、継続して、同業者団体、組合等が資産の譲渡等の対価に該当しないものとし、かつ、その会費等を支払う事業者側がその支払を課税仕入れに該当しないこととしているときにも、消費税の課税対象外として認められる。
消費税法基本通達
(会費、組合費等)
5-5-3 同業者団体、組合等がその構成員から受ける会費、組合費等については、当該同業者団体、組合等がその構成員に対して行う役務の提供等との間に明白な対価関係があるかどうかによって資産の譲渡等の対価であるかどうかを判定するのであるが、その判定が困難なものについて、継続して、同業者団体、組合等が資産の譲渡等の対価に該当しないものとし、かつ、その会費等を支払う事業者側がその支払を課税仕入れに該当しないこととしている場合には、これを認める。
(注)
1 同業者団体、組合等がその団体としての通常の業務運営のために経常的に要する費用をその構成員に分担させ、その団体の存立を図るというようないわゆる通常会費については、資産の譲渡等の対価に該当しないものとして取り扱って差し支えない。
2 名目が会費等とされている場合であっても、それが実質的に出版物の購読料、映画・演劇等の入場料、職員研修の受講料又は施設の利用料等と認められるときは、その会費等は、資産の譲渡等の対価に該当する。
3 資産の譲渡等の対価に該当するかどうかの判定が困難な会費、組合費等について、この通達を適用して資産の譲渡等の対価に該当しないものとする場合には、同業者団体、組合等は、その旨をその構成員に通知するものとする。
例外
課税取引
たとえば、団体が主催した講演会・セミナーなどの会費は講義や講演の役務の提供などの対価なので課税取引として消費税の課税対象となる(仕入税額控除の対象となる)。
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 18 ページ]
- 借地権償却
- 車両費
- 修繕費
- 修繕費―資本的支出と収益的支出―資本的支出
- 修繕費―資本的支出と収益的支出―収益的支出
- 修繕費―資本的支出と収益的支出―区別基準
- 修繕費―資本的支出と収益的支出―会計・税務
- 修繕引当金繰入
- 取材費
- 消耗品費
- 賞与
- 賞与―分類―決算賞与
- 賞与引当金繰入(賞与引当金繰入額)
- 諸会費
- 人材派遣費(人材派遣料)
- 新聞図書費
- 水道光熱費
- 積送諸掛
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ
- ホーム
- 勘定科目一覧(一般)
- 資産―現金・預金
- 資産―売上債権
- 資産―有価証券
- 資産―棚卸資産
- 資産―他流動資産(五十音順)
- 資産―有形固定資産
- 資産―無形固定資産
- 資産―投資その他の資産―資本参加を目的とする投資
- 資産―投資その他の資産―長期利殖を目的とする投資
- 資産―投資その他の資産―その他の長期性資産(五十音順)
- 資産―繰延資産
- 負債―仕入債務
- 負債―他流動負債(五十音順)
- 負債―固定負債
- 負債―評価勘定
- 純資産―株主資本―資本金
- 純資産―株主資本―資本剰余金
- 純資産―株主資本―利益剰余金
- 純資産―株主資本―自己株式
- 純資産―評価・換算差額等
- 純資産―新株予約権
- 収益―営業収益―売上高
- 費用―売上原価
- 収益―営業収益―商品売買益
- 費用―販売管理費―あ行
- 費用―販売管理費―か行
- 費用―販売管理費―さ行(さ-じむ)
- 費用―販売管理費―さ行(しゃ-せき)
- 費用―販売管理費―さ行(接待交際費)
- 費用―販売管理費―さ行(せんーそ)
- 費用―販売管理費―た行
- 費用―販売管理費―な行
- 費用―販売管理費―は行
- 費用―販売管理費―ま行
- 費用―販売管理費―や行
- 費用―販売管理費―ら行
- 収益―営業外収益(五十音順)
- 費用―営業外費用(五十音順)
- 費用―営業外費用―繰延資産の償却費
- 収益―特別利益
- 費用―特別損失
- その他―事業主勘定
- その他―備忘勘定(対照勘定)
- 決算整理で用いる独自の勘定科目
- 差引損益計算で用いる独自の勘定科目
- 帳簿決算で用いる独自の勘定科目
- 勘定科目一覧(一般)