有価証券
有価証券とは
有価証券の定義・意味など
有価証券(ゆうかしょうけん)とは、一般的には、私法上の財産権を表象する証券をいい、小切手・手形などの貨幣証券、商品券、貨物引換証、株券、債券、投資信託などがある。
しかし、会計上、有価証券として取り扱われるのは、そのうち株券と債券(国債・地方債・社債)(投資信託等を含む)のみである。
参考:『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、110項。
有価証券の性質
資産
有価証券は資産運用等のために所有する財貨なので、資産である。
有価証券の範囲・具体例
有価証券に含まれるもの(該当するもの)
金融商品取引法
「金融商品に関する会計基準」では、企業会計上の有価証券として取り扱うことができる有価証券の範囲は金融商品取引法(旧名称:証券取引法)に定義する有価証券にもとづくとしている
同法では、有価証券は次に掲げるものとしている(第2条)。
- 国債証券
- 地方債証券
- 特別の法律により法人の発行する債券
- 社債券
- 特別の法律により設立された法人(日本銀行など)の発行する出資証券
- 優先出資証券または新優先出資引受権を表示する証券
- 株券または新株予約権証券
- 投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資信託または外国投資信託の受益証券
- 投資信託及び投資法人に関する法律 に規定する投資証券もしくは投資法人債券または外国投資証券
- 貸付信託の受益証券
- 資産の流動化に関する法律に規定する特定目的信託の受益証券
- 信託法に規定する受益証券発行信託の受益証券
有価証券に含まれないもの(該当しないもの)
手形・小切手
法律上、手形、小切手も有価証券であるが、手形、小切手は専用の科目で処理するため、会計上、有価証券には含まれない。
切手・収入印紙
他の勘定科目との関係
現金
受取手形・支払手形
仕入
有価証券の分類・種類
原則
有価証券の会計処理については、「金融商品に関する会計基準」「中小企業の会計に関する指針」などにおいて定められている。
これによれば、有価証券はその保有目的(どういう目的でその有価証券を購入したか)により、次の4つの種類に分類され、その区分に応じた有価証券の評価基準が定められている。
ただし、実際に使用される勘定科目名は、この4つの区分に対応しているとは限らないので、注意すること(会社によりその処理は異なる)。
なお、次のページなども参照。
例外
売買目的有価証券とその他有価証券との区分を法人税法の規定にしたがって分類することも認められる。
有価証券の決算等における位置づけ等
有価証券の財務諸表における区分表示と表示科目
満期保有目的債券・子会社株式および関連会社株式などの場合
貸借対照表 > 資産 > 固定資産 > 投資その他の資産 > 投資有価証券など
区分表示
有価証券のうち、証券市場において流通するもので、短期的資金運用のために一時的に所有するものは、流動資産に属するものとし、証券市場において流通しないもの、または、他の企業を支配する等の目的で長期的に所有するものは、投資その他の資産に属する。
企業会計原則注解
[注16] 流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について
…
所有有価証券のうち、証券市場において流通するもので、短期的資金運用のために一時的に所有するものは、流動資産に属するものとし、証券市場において流通しないもの若しくは他の企業を支配する等の目的で長期的に所有するものは、投資その他の資産に属するものとする。
具体的には、売買目的有価証券と1年内に満期の到来する有価証券は流動資産に属し、関係会社の株式などは投資その他の資産に属する(会社計算規則74条、財務諸表等規則15条・31条)。
表示科目
有価証券は、流動資産に属するものは有価証券、投資その他の資産に属するものは投資有価証券・関係会社株式・関係会社社債・その他の関係会社有価証券として表示する(財務諸表等規則17条・32条、)。
有価証券の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
次のページを参照。
有価証券の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
非課税取引
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