[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


司法書士報酬(司法書士手数料・司法書士費用)


司法書士報酬の会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
支払手数料管理諸費)・支払報酬料

司法書士報酬を支払ったときは、支払手数料勘定などの借方に記帳して費用計上する。

事業所によっては管理諸費勘定で処理しているところもある。

また、報酬などを特に処理するための勘定科目である支払報酬料勘定などで処理をしてもよい。

ただし、以上のような、どの勘定科目を使用してもよいが(→経理自由の原則)、いったん選択した処理方法は原則として継続的に適用する必要がある(→継続性の原則)。

なお、土地建物などの固定資産を購入した場合には、登記費用の一部として付随費用に含め、これを固定資産取得価額に算入して土地または建物勘定を用いて資産計上することもできる(法人税基本通達7-3-3の2)。
また、設立時の登記費用(司法書士報酬・設立登記の登録免許税など)については、繰延資産にして創立費勘定資産計上することもできる(企業会計基準委員会繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い実務対応報告第19号)」)。

所得源泉徴収

司法書士などの一定の専門家に報酬を支払う場合は所得源泉徴収をする義務がある(→一定の専門家に支払う報酬・料金等)(所得法204条1項2号・所得法施行令320条2項)。

ただし、法人の場合は、所得ではなく法人税になるので、源泉徴収は不要である。

源泉徴収した所得(=源泉所得税)は預り金勘定で処理をする。

なお、報酬額に消費税の額を含めた額が源泉徴収の対象となる。

源泉徴収すべき所得

源泉徴収すべき所得額は支払金額により次のようになる(所得法205条2項)。

源泉徴収税額 = (1回の支払金額ー1万円)✕10%

No.2801 司法書士等に支払う報酬・料源泉所得税国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2801.htm

源泉所得税の納付期限

源泉所得税は原則として支払い月の翌月10日までに務署に納付する。

ただし、例外として納期の特例という制度がある。

参考:No.2505 源泉所得税及び復興特別所得の納付期限と納期の特例源泉所得税国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2505.htm

事務
法定調書

支払調書の作成)

一定の要件に該当する報酬などを支払った場合、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」と呼ばれる支払調書を作成し、務署に提出しなければならない。

その様式については、下記のページからダウンロードできます(エクセルで作成)。

ビジネス文書テンプレート(書式・様式・雛形(雛型 ひな形 ひな型))の無料ダウンロード:税務書類の様式

なお、法定調書、支払調書の詳細については、下記の国税庁のホームページを参照

No.7400 法定調書と提出義務者|法定調書|国税庁

No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数|法定調書|国税庁

取引の具体例と仕訳の仕方

取引

司法書士報酬20万円を源泉所得税19,000円を預かって、残181,000円を現金で支払った。

仕訳

借方科目
貸方科目
支払手数料 20万 現金 181,000
預り金 19,000

司法書士報酬の務・法・制上の取り扱い

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

課税取引

消費税法上、司法書士報酬は課税取引に該当し、仕入税額控除の対象となる。



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