[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


貸借対照表原則―評価―資産の評価基準―取得原価―付随費用


付随費用とは

付随費用の定義・意味など

付随費用(ふずいひよう)とは、資産の取得や処分などの取引に関連(付随)して生じた費用をいう。

付随費用の位置づけ・体系(上位概念等)

取得原価

取得原価は付随費用を含めて算出する。

付随費用と関係する概念

諸掛

商品仕入と販売に関連した付随費用は、とくに諸掛ともいう。

付随費用の範囲・具体例

運送料
宅配便・宅急便など

たとえば、消耗品・備品を購入し、会社・事務所まで宅急便などで発送してもらった場合、その送料も付随費用として消耗品等の取得原価に含める。

関税

消費税商品等の代関税等を加算した額に対して課されるため、関税も付随費用として取得原価に含める。

立退料

土地建物の購入に際し、旧使用者に支払う立退料は付随費用として土地建物取得原価に含める。

解体費用取壊費用

建物等の存する土地建物等とともに取得した場合などにおいて、その取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手する等、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるときは、当該建物等の取壊しの時における帳簿価額と取壊費用の合計額(廃材等の処分によって得た額がある場合は、当該額を控除した額)は、当該土地取得原価に含める。

法人税基本通達
(土地とともに取得した建物等の取壊費等)
7-3-6 法人が建物等の存する土地借地権を含む。…)を建物等とともに取得した場合又は自己の有する土地の上に存する借地人の建物等を取得した場合において、その取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手する等、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるときは、当該建物等の取壊しの時における帳簿価額及び取壊費用の合計額(廃材等の処分によって得た額がある場合は、当該額を控除した額)は、当該土地取得価額に算入する。

業務用資産の取得のために要した借入金の利子

業務用資産の取得のために要した借入金の利子支払利息勘定費用処理をするが、当該資産の使用開始の日までの期間に対応する部分の額については、付随費用として当該資産取得価額に算入することもできる。

所得基本通達
(業務用資産の取得のために要した借入金の利子
37-27 業務を営んでいる者が当該業務の用に供する資産の取得のために借り入れた資利子は、当該業務に係る各種所得額の計算上必要経費に算入する。ただし、当該資産の使用開始の日までの期間に対応する部分の額については、当該資産取得価額に算入することができる。

付随費用として取得原価に算入しないもの
割賦払い(分割払い)の場合の利息

契約書などで利息部分の額が明示されている場合、その利息取得原価には算入しないのが妥当とされている。

自己株式に係る費用

自己株式の取得自己株式の処分に要した手数料

自己株式取得原価をもって評価するが、自己株式の取得自己株式の処分に要した手数料などの付随費用は、支出時に支払手数料などの費用勘定借方に記帳して費用処理をし、損益計算書では営業外費用として計上する。

企業会計基準第1号 自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準
自己株式の取得、処分及び消却に関する付随費用
7. 取得した自己株式は、取得原価をもって純資産の部の株主資本から控除する。
14. 自己株式の取得、処分及び消却に関する付随費用は、損益計算書営業外費用に計上する。

実務対応報告第19号 繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い
(1) 株式交付費会計処理
株式交付費新株の発行又は自己株式の処分に係る費用)は、原則として、支出時に費用営業外費用)として処理する。

付随費用として取得原価に算入するかどうか任意であるもの
租税公課

務上、次のような租税公課等は付随費用として取得原価に算入するかどうかは任意とされている。

法人税基本通達
固定資産取得価額に算入しないことができる費用の例示)
7-3-3の2 次に掲げるような費用の額は、たとえ固定資産の取得に関連して支出するものであっても、これを固定資産取得価額に算入しないことができる。
(1) 次に掲げるような租税公課等の額
イ 不動産取得税又は自動車取得税
ロ 特別土地保有のうち土地の取得に対して課されるもの
ハ 新増設に係る事業所税
ニ 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用

第1款 固定資産取得価額|基本通達・法人税法|国税庁 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_03_01.htm

No.5400 減価償却資産取得価額に含めないことができる付随費用|法人税国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5400.htm

借入金の利子

法人税法では、固定資産取得に係る借入金利子については、付随費用として取得原価に算入するかどうかは任意としている。

付随費用の分類・種類

付随費用は、次のように分類される。

  1. 直接付随費用...荷造発送費運送保険料、購入手数料等
  2. 間接付随費用...買入事務、検収、整理、選別、手入れなど業務の用に供するための費用



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