地代
地代の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
地代家賃
地代を支払ったときは地代家賃などの費用勘定の借方に記帳して費用処理をする。
費用の認識基準
発生主義または現金主義
地代の支払いは契約によりそのほとんどが前払いとされている(たとえば、翌月分を当月末日までに支払うなど)。
地代を前払いしている場合は、発生主義により、原則としては前払地代(または前払費用)勘定などで処理をするということになるが、継続適用を前提にして(→継続性の原則)、現金主義により、支払時に地代家賃勘定などですべて費用処理をする(ただし、支払った日から1年以内のものに限る)ことが認められている(詳細については後述)。
期末(決算時)等
決算整理仕訳
当期に費用として支払った金額に次期以降の期間に対する費用が含まれている場合、発生主義により、原則として期末に未経過分を資産計上して費用の繰延をする必要があるので、次の3つの部分に分けて処理をする。
企業会計原則
第二 損益計算書原則
(損益計算書の本質)
A すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。…
前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、…。
ただし、重要性の原則から、重要性の乏しいものについては、継続適用を前提にして、支払時にすべて費用処理をすることが認められ、前払費用(つまり、資産)に計上しなくてもよいとされている。
換言すれば、地代家賃については、費用の認識基準として、原則とされる発生主義ではなく、現金主義が例外的に認められているということである。
企業会計原則
重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。
重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。
…
(2) 前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。
なお、税務上も、この企業会計上の重要性の原則に基づく会計処理が認められ、短期の前払費用について、収益との厳密な期間対応による繰延経理をすることなく、その支払時点で必要経費または損金に算入をすることが認められている。
短期前払費用の取扱いについて|法人税目次一覧|国税庁 https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/02/03.htm
所得税基本通達
(短期の前払費用)
37-30の2 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうちその年12月31日においてまだ提供を受けていない役務に対応するもの をいう。以下この項において同じ。)の額はその年分の必要経費に算入されないのであるが、その者が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受 ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する年分の必要経費に算入しているときは、これを 認める。
法人税基本通達
(短期の前払費用)
2-2-14 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するも のをいう。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るもの を支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。
取引の具体例と仕訳の仕方
翌月分の地代が当月25日に普通預金から引き落とされた。
地代家賃 | ×××× | 普通預金 | ×××× |
地代の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
課税取引
消費税法上、地代は課税取引に該当し、仕入税額控除の対象となる。
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