[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


事業税


(" 事業税 "から複製)

事業税とは

事業税の定義・意味など

事業税(じぎょうぜい)とは、会社の行う事業と個人の行う一定の事業という行為に対して課される地方税(道府県)をいう。

「個人の行う一定の事業」のことを法定業種という

事業税の分類・種類

  1. 法人事業税 ... 会社の行う事業に課される事業税
  2. 個人事業税 ... 個人の行う一定の事業に課される事業税

事業税の法的根拠・法律など

地方税

事業税地方税で規定されている。

個人事業税課税対象事業・業種と

前述のとおり、個人事業税は、「個人の行う一定の事業」=法定業種だけに課される。

詳細については、次のページを参照。

事業税の課税対象事業(法定業種)と税率―個人事業主の場合

事業税の構成内容・内訳

事業税の課所得計算は、法人税の規定に準拠することとされている。

事業税額の確定方式

個人事業税
賦課課方式

個人事業税については賦課課方式が採用されており、確定申告をした年の8月と11月の2回に分けて納する。

具体的には、納通知書とともに納付書が都道府県から送られてくるので、それで納めることになる。

法人事業税
申告納方式

法人事業税については事業所税などと同じく、申告納方式が採用されている。

事業税会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等

事業税損金に算入される税金であるが、新会計基準法人税住民税と同様の処理をすることが求められている。

中間納付時

法人税等法人税住民税(道府県民と市町村民)・事業税の一部)について、中間申告および納付を行ったときは、その納付額を仮払法人税等勘定借方に記帳して資産計上する(→仮払経理)。

この会計処理は、法人税の確定申告書の別表五(二)でいうところの「仮払経理による納付」に相当する。

ただし、法人税法上、事業税損金算入が認められている租税公課なので、支払った年度費用になる。

そこで、中小企業では未払い事業税は計上しないこともできる。

また、未払法人税等残高があれば、これを取り崩して納付することもできる(→充当金取崩し)。

なお、次のページも参照。

中間申告

期末決算時)

決算で当期の法人税等法人税住民税(道府県民と市町村民)・事業税の一部)の額が確定するので、確定した法人税等の額を法人税等勘定費用または利益処分)の借方に記帳する。

他方、法人税等の納付は確定申告時に行うので、決算時では未払いとなる。

なお、この未払金は、法人税の確定申告書の別表五(二)でいうところの「期末現在未納額」に相当する。

したがって、確定申告時に納付すべき額を未払法人税等勘定負債)の貸方に記帳して負債計上する。

会計基準では、法人税住民税のみならず、原則として、事業税についても、未払法人税等に含めて計上する。ただし、中小企業では、事業所税固定資産税不動産取得税都市計画税などの未納額と同様、未払税金勘定で処理をしてもよい。

また、中間申告(納付)を行っている場合には、仮払法人税等勘定を取り崩し、中間納付額を差し引いた額を未払法人税等勘定で処理する。

法人税法上、未払法人税等充当と呼ばれている。

なお、次のページも参照。

法人税等の計上(決算時)

確定申告時

決算時に計上した法人税等は、法人税等の確定申告をする(確定申告書と決算書類等を務署に提出する)ときに納付する(つまり、申告と同時に納付する)。

法人税等を納付したときは、未払法人税等勘定借方に記帳して減少させる。

この処理は、法人税の確定申告書の別表五(二)でいうところの「充当金取崩しによる納付」に相当する。

なお、次のページも参照。

法人税等の確定申告と納付

これに対して、法人税等は次のような場合には確定申告をした後日に還付される。

確定申告後に法人税等還付される場合の具体的な会計処理については、次のページを参照。

事業税務・法・制上の取り扱い

必要経費算入(所得法上)・損金算入法人税法上)

必要経費算入・損金算入の可否

事業税はその全額を必要経費算入(所得法上)・損金算入法人税法上)できる。

必要経費算入時期・損金算入時期
必要経費算入時期

務上、個人事業税などの賦課方式による租税必要経費算入時期は、原則として、賦課決定のあった日(=納通知書を受け取ったとき)の属する事業年度とされている。

ただし、納期の開始の日の属する事業年度または実際に納付した日の属する事業年度において必要経費に算入することも認められている。

つまり、固定資産税必要経費算入時期は次のいずれかの事業年度になる。

  1. 賦課決定のあった日(=納通知書を受け取ったとき)の属する事業年度
  2. 納期の開始の日の属する事業年度
  3. 実際に納付した日の属する事業年度

所得基本通達
(その年分の必要経費に算入する租税
37-6 法第37条第1項の規定によりその年分の各種所得額の計算上必要経費に算入する国税及び地方税は、その年12月31日までに申告等により納付すべきことが具体的に確定したものとする。ただし、次に掲げる額については、それぞれ次による。

(3) 賦課方式による租税のうち納期が分割して定められている額 各納期の額をそれぞれ納期の開始の日又は実際に納付した日の属する年分の必要経費に算入することができる。

租税公課〕|通達目次 / 所得基本通達|国税庁 https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/05/06.htm

損金算入時期

務上、法人事業税事業所税などの申告納方式による租税については、納申告書を提出した事業年度損金算入するのが原則とされている。

ただし、事業税については事業所税とは異なり、特例により、申告等がされていない場合であっても、申告等の直前の事業年度損金の額に算入することができるものとされている。

法人税基本通達
(事業税及び地方法人特別損金算入の時期の特例)
9-5-2 当該事業年度の直前の事業年度分の事業税及び地方法人特別の額については、9-5-1にかかわらず、当該事業年度終了の日までにその全部又は一部につき申告、更正又は決定がされていない場合であっても、当該事業年度損金の額に算入することができるものとする。…

第1款 租税|基本通達・法人税法|国税庁 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_05_01.htm

No.5300 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期|法人税国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5300.htm

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

不課税取引

事業税不課税取引として消費税の課税対象外である。



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