[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


外貨預金


外貨預金とは

外貨預金の定義・意味など

外貨預金(がいかよきん)とは、外貨建ての預金を処理するための資産勘定をいう。

岩崎恵利子 『パッと引いて仕訳がわかる 逆引き勘定科目事典』 シーアンドアール研究所、2009年、54項。

法人・個人の別

法人・個人

外貨預金は法人・個人で使用される勘定科目である。

普通預金の位置づけ・体系(上位概念等)

預金

預金(広義)には、次のような種類がある。

金融法制上、預金取扱金融機関のうち、普通銀行都市銀行地方銀行など)と協同組織金融機関の一部(信用共同組合・信用金庫労働金庫)については「預金」、協同組織金融機関の一部(農業協同組合漁業協同組合)とゆうちょ銀行については「貯金」という用語が使用されている。ただし、両者の性質は同じである。

外貨預金に関する会計基準制度会計

会計基準
外貨建取引等会計処理基準

外貨預金は外貨建取引等会計処理基準にしたがって処理をする。

外貨預金の決算等における位置づけ等

外貨預金の財務諸表における区分表示表示科目

貸借対照表資産流動資産 > 外貨預金(または預金もしくは現金及び預金

区分表示
流動資産

外貨預金は流動資産に属する。

企業会計原則注解
[注16] 流動資産又は流動負債固定資産又は固定負債とを区別する基準について
 現金預金は、原則として、流動資産に属する…

表示科目
外貨預金・預金現金及び預金

取引の記録では、当座預金普通預金というように銀行口座の種別の勘定科目を用いるが、表示科目としてはまとめて現金及び預金としてもよい。ただし、「現金」と「預金」を区別するところも多い。区別する場合は「預金」または「外貨預金」などとして表示する。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
流動資産区分表示
第十七条  流動資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。
 現金及び預金

外貨預金の会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
期中

外貨預金は、原則として、当該取引発生時の為替相場による円換算額をもって記録する。

外貨建取引等会計処理基準

期末決算時)

外貨預金の評価替え

外貨預金は資産として、決算時において貸借対照表でどう評価すべきか、という資産の評価基準の問題が発生する。

時価主義の適用

この点、外貨預金については、時価主義が適用される。

すなわち、決算時において、原則として、決算時の為替相場による円換算額を付して時価評価する。

外貨建取引等会計処理基準

取引の具体例と仕訳の仕方

普通預金から外貨預金に振り替えたとき

取引

普通預金110万円を外貨預金1万ドルに振り替えた。この日の為替レートは1ドル=110円であった。

仕訳

借方科目
貸方科目
外貨預金 1,100,000 普通預金 1,100,000

期末決算時)に外貨預金を時価評価したとき

取引

決算時に上記外貨預金1万ドルを時価評価した。この日の為替レートは1ドル=100円であった。

仕訳

借方科目
貸方科目
普通預金 1,000,000 普通預金 1,100,000
為替差損 100,000

外貨預金の務・法・制上の取り扱い

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

不課税取引課税対象外)

消費税法上、外貨預金は不課税取引として消費税の課税対象外である。



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