[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


暖簾(のれん)


暖簾とは

暖簾の定義・意味など

暖簾のれん)とは、法律上の権利ではないが、他の企業より多く収益を得られる無形の源泉・原因(超過収益力)をいう。

暖簾の具体例

暖簾の具体的内容としては、次のようなものがある。

  • 老舗の商号や商標のブランド・伝統・社会的信用・知名度・名声・ネームバリュー
  • 技術・ノウハウ・営業上の秘訣
  • 得意先・仕入れ
  • 従業員の質
  • 顧客網
  • 経営組織
  • 金融
  • 立地条件等の地理的条件
  • 政治的特権

暖簾の会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
取得時

暖簾という無形のリソースは、原則として、資産計上の対象とはならない(貸借対照表上に計上されない)。

つまり、暖簾は自社で創設することはできない。

ただし、例外として、次のような場合に限り、暖簾を額で評価して、営業権のれん勘定借方に記帳して資産計上できる。

企業会計原則注解
〔注25〕営業権について
営業権は、有償で譲受け又は合併によって取得したものに限り貸借対照表に計上し、毎期均等額以上を償却しなければならない。

取得原価取得価額)の決定方法

暖簾の取得原価は、買取価額から実際に取得した産の価額を差し引くことで求められる。

暖簾の取得原価 = 買取価額 - 実際に取得した産の価額

減価償却
耐用年数減価償却の方法減価償却費の計算方法)・減価償却の記帳方法

会社法では、暖簾の償却期間等に関する具体的な規定はない。

しかし、法人税法上、耐用年数5年の定額法で均等償却するものとされている(法人税法施行令48条の2第4号)。

また、記帳方法は直接法で行う。

なお、「企業結合に関する会計基準」では20年以内に償却するものとされている。

取引の具体例と仕訳の仕方

事業譲渡
一般
借方科目
貸方科目
(諸)資産 (諸)負債 ✕✕✕✕
営業権のれん 普通預金 ✕✕✕✕

商品のみ

取引

A社の事業を1000万円で譲り受けた。なお、これによって現実に取得した産はA社の商品600万円だけである。

仕訳

借方科目
貸方科目
商品 600万 普通預金 1000万
営業権のれん 400万

吸収合併
受入純資産額<増加資本額の場合

吸収合併により受け入れた純資産額が増加する資本額を下回る場合は、被合併会社資産時価超の額で購入したことになるが、その差額は営業権勘定無形固定資産)の借方に記帳して処理する。

つまり、この場合、暖簾(のれん)という法律上の権利ではないが、収益の原因となりうるものを額で評価したということになる。

借方科目
貸方科目
(諸)資産 (諸)負債 ✕✕✕✕
営業権 資本金 ✕✕✕✕

暖簾の務・法・制上の取り扱い

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

課税取引

消費税法上、暖簾は課税取引に該当し、仕入税額控除の対象となる。



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