材料(未使用の棚卸)
原材料とは
原材料の定義・意味など
原材料(げんざいりょう)とは、製品を製造するために仕入れた物品のうち、まだ消費されていないものを処理する資産勘定をいう。
法人・個人の別
法人・個人
原材料の分類・種類
原料・材料
原材料は、製品の中に素材として原形をとどめていないものを原料(げんりょう)、とどめているものを材料(ざいりょう)として、区分することがある。
原材料の範囲・具体例
原材料として処理をするものとしては、具体的には、次のようなものがある。
- 主要原材料
- 補助原材料…製品を製造する際に補助的に消費されるペンキ・接着剤などの設備補修材料
- 部品…買入部品・自製部品・外注部品
- 工場消耗品…機械油など
- 燃料…機械の動力となる石油・ガスなど
- 消耗工具器具備品…金型・ドライバー・ペンチなど
原材料の位置づけ・体系(上位概念等)
棚卸資産
なお、棚卸資産には次のようなものがある。
- 通常の営業過程において販売するために保有する財貨または用益
- 販売を目的として現に製造中の財貨または用益
- 販売目的の財貨または用益を生産するために短期間に消費されるべき財貨
- 販売活動または一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨
- 棚卸資産に準ずる資産
企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準
棚卸資産の範囲
28. これまで、棚卸資産の範囲は、原則として、連続意見書 第四に定める次の 4 項目のいずれかに該当する財貨又は用役であるとされている。
(1) 通常の営業過程において販売するために保有する財貨又は用役
(2) 販売を目的として現に製造中の財貨又は用役
(3) 販売目的の財貨又は用役を生産するために短期間に消費されるべき財貨
(4) 販売活動及び一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨
他の勘定科目との関係
材料費(原材料費)
原材料が消費された場合、その消費高を材料費(または原材料費)といい、製造原価の構成要素として処理される。
原材料の決算等における位置づけ等
原材料の財務諸表における区分表示と表示科目
区分表示
流動資産
原材料などの棚卸資産は、貸借対照表上、正常営業循環基準(営業循環基準)により、流動資産に属する。
なお、恒常的に在庫品として保有するもの、余剰品として長期間にわたって所有するものも固定資産とはしない。
企業会計原則注解
[注16] 流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について
…
商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産は、流動資産に属するものとし、…。
…
なお、…、たな卸資産のうち恒常在庫品として保有するもの若しくは余剰品として長期間にわたって所有するものも固定資産とせず流動資産に含ませるものとする。
原材料の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
期末(決算時)等
決算時には、実地棚卸によって決定された期末時点の在庫(つまり、当期に消費されなかった在庫)=期末原材料棚卸高を原材料勘定に振り替えて売上原価から控除する。
具体的には、当期に消費されなかった在庫の仕入原価の合計額を期末原材料棚卸高(または期末棚卸高)勘定の貸方に記帳して(つまり、期末原材料棚卸高を減少させて)これを売上原価から控除するとともに、原材料勘定の借方に記帳して資産計上する。
つまり、当期の費用とはすべきではない期末原材料棚卸高(費用)をいったん原材料(資産)として計上するわけである。
翌期首
振替処理
期末時点の在庫は翌期以降に消費するため、翌期首には、いったん原材料(資産)として計上した期末原材料棚卸高を再び期首原材料棚卸高勘定(費用)に振り替える。
具体的には、期末原材料棚卸高を原材料勘定の貸方に記帳してこれを減少させるとともに、期首原材料棚卸高勘定の借方に記帳してこれを増加させる。
管理
棚卸(在庫管理)
棚卸は毎月行うことが理想であるが、期末だけ行うこともできる。
なお、在庫が増えると資金繰りが悪くなるので、在庫管理はしっかりと行う必要がある。
取引の具体例と仕訳の仕方
期末(決算時)
決算にあたり実地棚卸によって決定された原材料の在庫100万円を計上した。
原材料 | 100万 | 期末原材料棚卸高(期末棚卸高) | 100万 |
翌期首
期首原材料棚卸高(期首棚卸高) | 100万 | 原材料 | 100万 |
原材料の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
不課税取引(課税対象外)
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