手形の割引
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手形割引とは
手形割引の定義・意味など
手形割引(てがたわりびき)とは、満期日前の手形を銀行などの金融機関に割引料(手形割引料)や手数料を差し引いて売却することをいう。
金融商品会計に関する実務指針
割引手形及び裏書譲渡手形
251. 手形割引は、手形の所持人が満期前に第三者に手形を譲渡し、その対価として譲渡の日以後満期に至るまでの金利相当額(割引料と呼ばれる。)を手形額面金額から差し引いた金額を受け取る取引である。
手形割引の別名・別称・通称など
商業手形割引
手形割引の目的・役割・意義・機能・作用など
手形は、小切手とは異なり、満期日にならなければ、手形代金の支払いを受けることができないのが原則である。
しかし、満期日前に資金が必要となった場合には、銀行などの金融機関に手形を譲渡して換金することもできるが、これが手形割引である。
ただし、手形を金融機関に持ち込んで現金化した場合は、手形の満期日までの利息(割引料)や手数料が控除されるので、手形の額面金額よりは安い金額となる。
手形割引の法的性格・性質
手形の売買
手形割引の法的性格は、通説では手形の「割引」ではなく、手形の「売買」であると解している。
また、金融商品会計でも手形の売買(「手形割引は、手形の所持人が満期前に第三者に手形を譲渡し、その対価…」)としてとらえている。
手形割引の位置づけ・体系(上位概念等)
裏書譲渡
手形割引の決算等における位置づけ等
財務諸表の注記
貸借対照表の「受取手形」の残高には受取手形割引高と受取手形裏書譲渡高は含めないで記載する。
その代わり受取手形の割引高と裏書譲渡高は貸借対照表に注記しなければならない。
企業会計原則
(貸借対照表の本質)
…
C 受取手形の割引高又は裏書譲渡高、保証債務等の偶発債務、債務の担保に供している資産、発行済株式一株当たり当期純利益及び同一株当たり純資産額等企業の財務内容を判断するために重要な事項は、貸借対照表に注記しなければならない。
手形割引の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
受取手形・手形売却損(または手形譲渡損)
手形割引をした場合の会計処理は、「金融商品会計に関する実務指針」において定められている。
すなわち、手形割引をした場合は、手形代金を受け取る権利がなくなるので、受取手形勘定(資産)の貸方に記帳して減少させるとともに、手取額は、当座預金勘定などの借方に記帳する。
そして、手形の額面金額と手取額との差額(手形の満期日までの利息(割引料)や手数料)については、手形の割引料ではなく売却損(または譲渡損)と解するので、(利子割引料(支払利息割引料)勘定ではなく)手形売却損(または手形譲渡損)勘定(営業外費用)の借方に記帳して費用処理をする。
また、手形の割引を行った際には、保証債務や手形の不渡りを事由とする偶発債務も発生する。
ただし、不渡りになる危険性がほとんどない優良手形についてはその必要はない。
そこで、この保証債務や偶発債務についても同時に会計処理をする必要がある。
このうち保証債務については、発生した保証債務の時価相当額を保証債務費用勘定(費用)と保証債務勘定(負債)で処理をして、それぞれ費用と負債に計上する。
具体的な仕訳の仕方については後述する。
金融商品会計に関する実務指針
割引手形及び裏書譲渡手形の会計処理
136. 割引手形及び裏書譲渡手形については、原則として新たに生じた二次的責任である保証債務を時価評価して認識するとともに、割引による入金額又は裏書による決済額から保証債務の時価相当額を差し引いた譲渡金額から、譲渡原価である帳簿価額を差し引いた額を手形売却損益として処理する。
取引の具体例と仕訳の仕方
1.偶発債務を記録しない方法
所持していた約束手形1,000,000円を銀行で割り引き、割引料と手数料20,000円を控除した金額が普通預金口座に入金された。
普通預金 | 980,000 | 受取手形 | 1,000,000 |
手形売却損 | 20,000 |
2.対照勘定を使用する方法(対照勘定法)
割引義務/割引義務見返
次のページを参照。
3.評価勘定を使用する方法(評価勘定法)
割引手形
次のページを参照。
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