手形の裏書譲渡
(" 手形―基本―手形行為・手形関係―手形の裏書譲渡(裏書) "から複製)
裏書譲渡とは
裏書譲渡の定義・意味など
裏書譲渡(うらがきじょうと)とは、債権譲渡方式のひとつとして、約束手形や為替手形上の権利を、他人に譲渡することをいう。
裏書譲渡の目的・役割・意義・機能・作用など
手形は、理論上は貨幣に匹敵する高度な流通性がもたされている。
なお、次のページも参照。
したがって、受け取った手形は、満期日前に、支払手段として他人に譲渡することができる。
ただし、現実の手形取引では所持人が頻繁に変わるような手形は敬遠されるため、手形が転々流通することは稀であるとされる(『Wikipedia』より)。
なお、手形を譲渡する場合には、手形の裏面に所定の必要事項を記入して渡すことから、「裏書」譲渡といわれる。
裏書譲渡の位置づけ・体系(上位概念等)
手形行為・手形関係
裏書譲渡に関する会計基準と制度会計
会計基準
金融商品に係る会計基準
手形を裏書きした場合の会計処理は、「金融商品に係る会計基準」において定められている。
裏書譲渡の決算等における位置づけ等
財務諸表の注記
貸借対照表の「受取手形」の残高には受取手形割引高と受取手形裏書譲渡高は含めないで記載する。
その代わり受取手形の割引高と裏書譲渡高は貸借対照表に注記しなければならない。
企業会計原則
(貸借対照表の本質)
…
C 受取手形の割引高又は裏書譲渡高、保証債務等の偶発債務、債務の担保に供している資産、発行済株式一株当たり当期純利益及び同一株当たり純資産額等企業の財務内容を判断するために重要な事項は、貸借対照表に注記しなければならない。
裏書譲渡の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
1.手形を裏書きした場合
手形の裏書譲渡をした場合の会計処理は、「金融商品会計に関する実務指針」において定められている。
すなわち、裏書譲渡をした場合は、手形代金を受け取る権利がなくなるので、受取手形勘定(資産)の貸方に記帳して減少させるとともに、手取額は、当座預金勘定などの借方に記帳する。
また、手形の裏書を行った際には、保証債務や手形の不渡りを事由とする偶発債務も発生する。
ただし、不渡りになる危険性がほとんどない優良手形についてはその必要はない。
そこで、この保証債務や偶発債務についても同時に会計処理をする必要がある。
このうち保証債務については、発生した保証債務の時価相当額を保証債務費用勘定(費用)と保証債務勘定(負債)で処理をして、それぞれ費用と負債に計上する。
具体的な仕訳の仕方については後述する。
金融商品会計に関する実務指針
割引手形及び裏書譲渡手形の会計処理
136. 割引手形及び裏書譲渡手形については、原則として新たに生じた二次的責任である保証債務を時価評価して認識するとともに、割引による入金額又は裏書による決済額から保証債務の時価相当額を差し引いた譲渡金額から、譲渡原価である帳簿価額を差し引いた額を手形売却損益として処理する。
2.手形を裏書きにより譲り受けた場合
手形を裏書きにより譲り受けた場合は、手形代金を受け取る権利が発生するので、受取手形勘定の借方に記帳する。
取引の具体例と仕訳の仕方
1.偶発債務を記録しない方法
AはBから商品を仕入れ、その代金として、以前Cから商品代金として受け取っていた約束手形を裏書譲渡した。
裏書人(A)
仕入 | ×××× | 受取手形 | ×××× |
被裏書人(B)
受取手形 | ×××× | 売上 | ×××× |
2.対照勘定を使用する方法(対照勘定法)
裏書義務/裏書義務見返
次のページを参照。
3.評価勘定を使用する方法(評価勘定法)
裏書手形
次のページを参照。
裏書譲渡の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
不課税取引(課税対象外)
消費税法上、裏書譲渡は不課税取引として消費税の課税対象外である。
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