会議費―範囲・具体例
会議費の範囲・具体例
会議費とは、会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用を管理するための勘定科目をいう。
具体的には、会議に際して社内または通常会議を行う場所において通常供与される昼食の程度を超えない飲食物等の接待に要する費用がこれに該当する。
なお、ここにいう会議には、来客との商談、打合せ等が含まれる。
また、交際費のように、資本金による限度額や費用の5000円という基準はない。
措置法通達
(会議に関連して通常要する費用の例示)
61の4(1)-21 会議に際して社内又は通常会議を行う場所において通常供与される昼食の程度を超えない飲食物等の接待に要する費用は、原則として措置法令第37条の5第2項第2号に規定する「会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用」に該当するものとする。
(注)
1 会議には、来客との商談、打合せ等が含まれる。
2 本文の取扱いは、その1人当たりの費用の金額が措置法令第37条の5第1項に定める金額を超える場合であっても、適用があることに留意する。
会議費の範囲(会議費と交際費の区別基準)
会議費に該当するかどうかの公的な具体的基準は示されていないが、実務的には次のような観点から総合的に判断すべきものとされている。
- 場所
- 時間帯
- 単価
- アルコールの程度
これをもとに社内で一定の基準を作成し、それにしたがって継続的に会計処理を行うとよい。
参考:納税協会 『納税協会ニュース 平成17年5月』 財団法人納税協会連合会
税務調査の際にも調査官にこの基準を示すことで処理の妥当性を主張できる。
また、実務上、会議費と交際費との区分が困難な場合があり、これが税務調査の際によく問題になるが、上記基準は会議費と交際費の区別基準ともなる。
場所・時間帯
社内または通常会議を行う場所・時間帯
会議費は、「会議」という以上、会議場としてふさわしい場所・時間帯で行われることが前提となる。
原則として、会議は事務所の会議室など「社内」で行われることが望ましいといえる。
しかし、事務所が手狭である等の理由から社外で行われることもある。
ただし、この場合、「通常会議を行う場所」であることを要する。
「通常会議を行う場所」とは、具体的には、貸し会議室、喫茶店のほか、ホテル、レストラン、料理店があげられる。
これに対して、お酒の提供がメインとなるようなスナックやカラオケボックス、クラブ、キャバレー、キャバクラなど会議にふさわしくない場所・時間帯で行われた場合は会議費とはならない(交際費とされる)。
単価
通常供与される昼食の程度を超えないこと
会議費は「通常供与される昼食の程度を越えないこと」が必要とされる。
したがって、会議としての実態をそなえている場合でも、そこで供される飲食物が高額である場合には、税務上、会議費とはならない(交際費とされる)。
具体的には、食堂やレストラン等で提供される通常のランチ程度のものが会議費に該当する。
ただし、これは相手方の地位等により異なってくるし、また、会議費は、交際費のように、資本金による区分や費用の5000円という限度額はない。
したがって、1人あたり5000円を超えていても会議費として処理をすることができる場合もある。
逆に、得意先、仕入先その他事業関係者等(つまり、従業員等会社内部の人間は除く)に対する接待、供応、慰安、贈答等に支出するものは交際費として処理をするのが原則であるが、1人あたり5000円以内の支出であれば、特則※1により、交際費の限度額とは別枠で損金処理が認められるので、会議費として処理をしたほうが、税法上は有利である※2。
※1租税特別措置法。詳細については、次のページを参照。
交際費(接待交際費)―損金算入(法人税法上)の可否―1人あたり1回5,000円以内の外部事業関係者との飲食
※2交際費は原則として損金に算入できないからである。例外的に、資本金1億円以下の法人の場合、年間600万円までを限度として損金算入が認められているが、それも全額ではなく、支出額の90%に限定されている。
アルコールの程度
食事の際における、お茶がわりのビール1~2本程度であれば会議費で処理できるものとされている。
会議費の具体例
会議費として処理できるものとしては、具体的には、次のようなものがある。
これに対して、打ち上げ・反省会・意見交換会などと称する飲食費は一般的には会議費とは認められない。
参考:納税協会 『納税協会ニュース 平成17年5月』 財団法人納税協会連合会
なお、会議費として(税務署に)認められるかどうかの明確な基準はないので、会社の規模等を勘案し、多用(突出)しないよう注意を要する。
打ち合わせ
社内の打ち合わせ(社内会議等)
たとえば、社員・従業員等を、慰労目的ではなく、「仕事の打ち合わせ」(たとえば、業務上の報告・連絡・相談、情報・意見交換等)のため、昼食等に連れて行った場合など、会議費で処理をすることが可能である。
なお、会議費として処理をする以上、後日の税務調査に備え、会議の日時、場所、参加者、議題、簡単な議事内容などは記録(内部的な会計資料)として残しておくべきものと考える。
ただし、通常の会議であれば、議事録を作成するが、この種の「会議」については簡単な記録でもよいであろう。
こうした用途のテンプレートは次のサイトのページからダウンロードできます。よろしければ、ご利用・ご参考にしてください。
会議記録簿・管理簿・管理表の書式・様式テンプレート01(エクセル Excel)
社外の打ち合わせ(来客との商談等)
会議には、社内会議のみならず、来客との商談、打合せ等も含まれる。
1人あたり1回5000円以内の外部事業関係者との食事代(飲食代・飲食費)
前述したように、交際費であっても、それが5000円以内であれば、会議費などで費用処理をしたほうが、税法上は有利である。
ただし、会議費として処理をするには、所定の事項を記載した書類を保存していることが必要となる。
このためのテンプレートは次のサイトのページからダウンロードできます。よろしければ、あわせてご利用・ご参考にしてください。
5000円以内社外飲食費の管理簿・管理表・管理台帳の書式・様式テンプレート01(エクセル Excel) - ビジネス文書・手紙・はがきテンプレート(書式・様式・書き方)の無料ダウンロード
セミナーなどの参加費
事業に関連したセミナーなどの参加費は会議費として処理してもよい。
社内の懇親会
社内(従業員)の懇親会の費用は、一般的には従業員等への慰安として交際費勘定で処理する。
しかし、(特定の従業員ではなく)従業員等が全員参加するのであれば、福利厚生費勘定で処理できる。
また、会議(仕事の打ち合わせ)という名目があれば、特定の従業員を対象とするものであっても、1次会の費用については会議費として経費で落とすことも可能である。
なお、福利厚生費や会議費で処理したほうがその全額を損金算入できるので有利である。
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 98 ページ]
- 会議費
- 会議費―範囲・具体例
- 外注加工費
- 外注工賃
- 外注費(業務委託費・外注工賃)
- 貸倒損失(貸倒金)
- 貸倒引当金繰入額(貸倒引当金繰入)
- 管理諸費
- 管理費
- 寄付金(寄附金)
- 寄付金(寄附金)―分類
- 寄付金(寄附金)―分類―個人の場合―特定寄附金
- 寄付金(寄附金)―分類―個人の場合―特定寄附金―具体例―指定寄附金
- 寄付金(寄附金)―分類―個人の場合―特定寄附金―具体例―特定公益増進法人に対する寄付金
- 寄付金(寄附金)―分類―個人の場合―特定寄附金―具体例―認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)に対する寄付金
- 寄付金(寄附金)―分類―法人の場合―指定寄附金
- 寄付金(寄附金)―分類―法人の場合―特定公益増進法人に対する寄付金
- 寄付金(寄附金)―分類―法人の場合―認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)に対する寄付金
- 寄付金(寄附金)―税務処理
- 給与手当(給料手当・給料・給与)
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―範囲・具体例
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―範囲・具体例―みなし給与
- 給与手当(給料手当・給料・給与)―範囲・具体例―みなし給与―渡切交際費
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―範囲・具体例―手当
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―範囲・具体例―手当―年次有給休暇手当
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―範囲・具体例―手当―年次有給休暇手当―金額―①平均賃金
- 給与手当(給料手当・給料・給与)―範囲・具体例―手当―通勤手当
- 給与手当(給料手当・給料・給与)―範囲・具体例―現物給与
- 給与手当(給料手当・給料・給与)―事務
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―給料の支払方法(賃金支払の5原則)
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―給料の支払方法(賃金支払の5原則)―①通貨払の原則
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―給料の支払方法(賃金支払の5原則)―①通貨払の原則―例外(給料の銀行振込・口座振込)
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―給料の支払方法(賃金支払の5原則)―①通貨払の原則―例外(給料の銀行振込・口座振込)―条件
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―給料の支払方法(賃金支払の5原則)―①通貨払の原則―例外(給料の銀行振込・口座振込)―条件―労使協定―賃金の口座振込に関する協定書
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―給料の支払方法(賃金支払の5原則)―③全額払の原則
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―給料の支払方法(賃金支払の5原則)―③全額払の原則―例外―労使協定―賃金控除に関する協定書(24協定書・チェックオフ協定書)
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―書類整備―法定帳簿(法定三帳簿)
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―源泉所得税(源泉税)
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―対象者―源泉徴収義務者
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―対象所得―源泉徴収の対象となる所得
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―対象所得―源泉徴収の対象となる所得―確定申告など他制度との関係
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―時期
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―時期―納付―例外①―納期の特例
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―時期―納付―例外②―納期限の特例
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―②源泉徴収税額
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―②源泉徴収税額―計算
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―②源泉徴収税額―計算―給与所得の源泉徴収税額表(源泉徴収税額表・税額表)
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―③源泉徴収簿(所得税源泉徴収簿 給与所得・退職所得に対する所得税源泉徴収簿)
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―③源泉徴収簿(所得税源泉徴収簿 給与所得・退職所得に対する所得税源泉徴収簿)―記載事項
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―③源泉徴収簿(所得税源泉徴収簿 給与所得・退職所得に対する所得税源泉徴収簿)―書き方
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―④納付
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―④納付―所得税徴収高計算書
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―④納付―所得税徴収高計算書―給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―④納付―所得税徴収高計算書―給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書―①作成・提出
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―④納付―所得税徴収高計算書―給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書―①作成・提出―書き方
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―④納付―所得税徴収高計算書―給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書―①作成・提出―e-Taxソフト(電子申請・オンライン申請)による作成・提出方法
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―④納付―所得税徴収高計算書―給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書―②納税―電子納税
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―税金関係―源泉徴収―手続き―毎月―源泉徴収税額がない場合
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―社会保険関係―①新たに従業員を採用した場合―被保険者資格取得届(健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届)
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―社会保険関係―①新たに従業員を採用した場合―被保険者資格取得届―手続き
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―社会保険関係―②定時報告―算定基礎届(健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届)
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―社会保険関係―②定時報告―算定基礎届―手続き
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―社会保険関係―③著しい変動があった場合―月額変更届(健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届)
- 給料手当(給与手当・給料・給与)―事務―社会保険関係―③著しい変動があった場合―月額変更届―手続き
- 教育研修費
- 業務委託費
- 減価償却費
- 研究開発費
- 研修費(教育研修費)
- 広告宣伝費
- 交際費(接待交際費・交際接待費・交際費等)
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―定義―交際費等
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―範囲
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―具体例
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―他の勘定科目との区別
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―他の勘定科目との区別―給料手当
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―他の勘定科目との区別―福利厚生費
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―他の勘定科目との区別―会議費
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―他の勘定科目との区別―広告宣伝費
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―他の勘定科目との区別―寄付金
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―他の勘定科目との区別―売上割戻し
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―他の勘定科目との区別―販売手数料
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―仕訳
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―損金算入の可否―交際費等の損金不算入制度
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―損金算入の可否―交際費等の損金不算入制度―内容―定額控除限度額
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―損金算入の可否―交際費等の損金不算入制度―内容―平成26年度改正
- 交際費(交際接待費・接待交際費)―損金算入の可否―1人当たり5000円以下の飲食費
- 公租公課
- 公租公課―範囲・具体例
- 公租公課―会計
- 公租公課―税務
- 公租公課―税務―必要経費算入・損金算入の可否―所得税法上の取り扱い
- 公租公課―税務―必要経費算入・損金算入の可否―法人税法上の取り扱い
- 固定資産税
- 顧問料
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ
- ホーム
- 勘定科目一覧(一般)
- 資産―現金・預金
- 資産―売上債権
- 資産―有価証券
- 資産―棚卸資産
- 資産―他流動資産(五十音順)
- 資産―有形固定資産
- 資産―無形固定資産
- 資産―投資その他の資産―資本参加を目的とする投資
- 資産―投資その他の資産―長期利殖を目的とする投資
- 資産―投資その他の資産―その他の長期性資産(五十音順)
- 資産―繰延資産
- 負債―仕入債務
- 負債―他流動負債(五十音順)
- 負債―固定負債
- 負債―評価勘定
- 純資産―株主資本―資本金
- 純資産―株主資本―資本剰余金
- 純資産―株主資本―利益剰余金
- 純資産―株主資本―自己株式
- 純資産―評価・換算差額等
- 純資産―新株予約権
- 収益―営業収益―売上高
- 費用―売上原価
- 収益―営業収益―商品売買益
- 費用―販売管理費―あ行
- 費用―販売管理費―か行
- 費用―販売管理費―さ行(さ-じむ)
- 費用―販売管理費―さ行(しゃ-せき)
- 費用―販売管理費―さ行(接待交際費)
- 費用―販売管理費―さ行(せんーそ)
- 費用―販売管理費―た行
- 費用―販売管理費―な行
- 費用―販売管理費―は行
- 費用―販売管理費―ま行
- 費用―販売管理費―や行
- 費用―販売管理費―ら行
- 収益―営業外収益(五十音順)
- 費用―営業外費用(五十音順)
- 費用―営業外費用―繰延資産の償却費
- 収益―特別利益
- 費用―特別損失
- その他―事業主勘定
- その他―備忘勘定(対照勘定)
- 決算整理で用いる独自の勘定科目
- 差引損益計算で用いる独自の勘定科目
- 帳簿決算で用いる独自の勘定科目
- 勘定科目一覧(一般)